部下を育成することが出来る店長は、お店の状態もすこぶる良く店舗業績も良いものです。
店内に活気もあり、スタッフがイキイキと働いています。
逆に、売上重視の考えを持っている店長の店は状態は微妙で部下も不満を口にしています。
要するに、部下を育てることが出来れば売上も上がるのです。その順番が売上⇒育成なのか。育成⇒売上なのかの違いです。
そこで、部下育成の基礎としてティーチングとコーチングがあります。
間違った解釈があるので、この際に正したいと思います。
ティーチングがダメで、コーチングが良いのではなく、ティーチングもコーチングも両方大事なのです。
その中で、ティーチングのレベルが低いがために新しく学ぶコーチングが素晴らしいと勘違いしていないでしょうか?
コーチングはまだ日本に来て20年しか経ちません。なので、部下指導といえばティーチングオンリーな世の中で40歳代以降は育ちました。
今まで無かったのです。
ですが、このティーチングもコーチングもセミナーに通ったりして覚えた人は1万人に1人のレベル。多くは社内での冴えない授業や、読書でのオリジナル学習です。
店長が部下育成を行えれば店舗業績も上がり、スタッフがイキイキと働き安易に社員も辞めません。イイことずくしなのです。
私は現在、大手小売業で店長育成をしています。昨年から今の研修プログラムを開発し、受講した店長は120人を超えました。店舗で働く店長の悩みを解消した研修であるためか、受講者評価も9.9と非常に良い状態です。
(会社員のため、守秘義務がありこの件で多くは語れなく申し訳ありません・・)
当然、コーチングも最強ツールであり、ティーチング・コーチングのどちらも極めることで部下に憧れる優秀な店長になれます。なぜなら、ここを極めている店長は非常に少ないからです。
【結論】ティーチングは最強の部下育成ツールです。
私はNLP(神経言語プログラミング)を学ぶことを通じ、コーチングへ自己投資してきました。
会社でもコーチングをプログラムに盛り込み、体感型で教えています。でも、その際に言うのですが店長は、ティーチングを軽視してはいけないと。
コーチングをしているつもりの店長たちは実は苦しんでいます。
実際には、指示をする場面ばかりであること
本部からの要求にすぐに答えないといけないこと
教える対象は新人さんが多いこと
店長として行動するうえでは、ティーチングが欠かせないのです。
そこをコーチングで何とかしようと思うと非効率なうえに、よくわからない指示となります。
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デキル店長の割合はティーチング8割、コーチング2割
コーチングは多くて2割です。
発する指示の5回に1回がコーチングですから、相当多いと思います。時と場合によりますが、私の考えるベストバランスはティーチング8割、コーチング2割です。
いつも起こる事例でお伝えします。
床が汚れている場面を見かけて、
「ここが汚れているので、綺麗にしてください」(ティーチング)
「こっちから見てみて。お客様から見てどう思う?」(コーチング)
毎回、こうだとどのように思いますか?
いちいち、指示をコーチングに切り替えると、まどろっこしいのです!
店長は、まずティーチングを極めましょう。
ティーチング5つのステップ
山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」は超有名な話です。
ここを紐解き、ティーチングとしていきます。
以下を知れば、単なる「ティーチング=一方通行で教えることではない」ことがお分かりいただけると思います。
新人のパート・アルバイトさんへ教えるだけでなく、新たな業務を行う際にも使えますし、本部からの指示で何かを始める際にも応用が可能です。
- Step1 準備
- Step2 相手の理解度を確認する
- Step3 手本を見せる
- Step4 実践させる
- Step5 しっかり褒める
では、順にみていきます。
1⃣準備
このステップでは、「なぜ、この作業が必要なのか?」をしっかりと「言って聞かせて」理解してもらうことが必要です。
①リラックスさせる
②その仕事の目的と意義、重要性を伝える
③目標の提示と達成の喜びを説明する
ポイント
リラックスさせて、聞きたくなる状態を作り出して説明すること。ここで、単に「説明するね」で始めないことです。アイスブレイク表現で相手の肩の力を抜いてから説明をしましょう。これが出来たら、お店がどんな状態になるかのゴールイメージがあれば尚良しです。
2⃣相手の理解度を確認する
ティーチングによる指導で良いか、相手の知識や技術レベルの確認を行います。
①「今までに教わったことはあるか?」を聞く
②初めて教わる内容であれば、言葉の意味も解説して丁寧に指導する
3⃣手本を見せる
このステップでは、持っているスキルを部下に手本として見せることです。
初めて経験する人は「失敗するのでは?」「間違ったらどうしよう・・」という不安を持っているものです。
①ゆっくりやってみせ、主なステップを教える
「ゆっくりやってみますから、よく見てください」
②重要なポイントは強調する
「この作業には、重要なポイントが3つあります。それぞれにコツがあるので、解説もしますね」
③なぜこうやるのか、の理由も説明してあげる
「理由を知っておくと、他の作業にも応用できますよ」
ポイント
教える人に時間的余裕が必要です。焦っている状態で教えても、相手には申し訳なさが残ります。他の作業をすることと、本人に教えることのどちらが重要か?を天秤にかけ、フリーになる時間を確保しましょう。
4⃣実践させる
部下が確実に作業が出来るかどうかをみるステップのため、一番重要です。
ここを確実にやらないと、中途半端な作業が店内に蔓延します。
よって妥協は許されません。
出来るまで何度もトライさせることです。
①まず実践させる(主なステップを話させる)
②間違いや改善点を指摘する
③出来るまで何度もやらせる
ポイント
出来ない部下に対して、叱責やため息は厳禁です。部下が思った通りに出来ないのは、「教える側の説明が不十分なのだ」という自責の念が必要です。そして出来るようになるために説明の仕方を変えたり、模範行動のスピードや見せ方を変えたりしながらPDCAを回すことです。
5⃣しっかり褒める
このステップは、「褒めて自信を持たせること」です。
最終的に「褒められた」という結果は、自信に繋がり次の高いレベルの作業を覚えようというモチベーションに繋がってきます。
①良い点を見つけて、何らか1つは最低限褒める
②褒めてから改善点を指摘する(サンドイッチ・フィードバック)
③褒める時は、具体的に褒める
ポイント
良いものはその場で褒めます。時間をかけて後日・・ではなく今です。反対にうまく行かなかったものは、本人のために改善点として注意します。行動に対して、フィードバックをすることは上司の義務です。
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今すぐ、先輩ベテランスタッフにティーチングを教えよ!
よく言われるものは、新人さんはティーチングを使い、ベテランにはコーチングを使うべきという表現です。
これは、合っています。
ただそれは、本人へ対してのものです。
本当にやって欲しいものは、
先輩やベテランスタッフが新人さんに教える方法を店長が教えよ!ということです。
この際に教えてもらうものが正しいティーチングです。
店舗状態に苦しんでいる店は、スタッフが正しく育たないことが原因です。
それは、ティーチング自体が中途半端なことが理由であって、新人さん~中堅レベルになる過程の中で基礎が反復されてないことが理由ではないか?と思うのです。
【最強説】ティーチングで店内レベルを鍛え上げよう
以上のように、ティーチングで部下指導を行うことで店内レベルが向上します。
ティーチングのメリットは、
①一度に大勢を育成できる
②レベル統一が図りやすい
ということです。
レベル統一が図れれば、大なり小なり大概の問題は解決されますよね?
今回お伝えしているティーチングは、通常の「一方通行で教える」という意味ではありません。
正しいティーチングを覚え、部下にティーチング方法を教えることで最強の店を作りましょう。
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