自己育成

アドラー心理学「課題の分離」とは?|その問題はあなたが悩む問題か

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店長に限らず、社会に出て働くと様々な人間関係の間で悩むことが多くなります。

上司からの「期待」とされるノルマや部下からの「要望」の間で日々、悩むこともあるでしょう。

そんな時に頭の片隅に置いておいた方が良い考えがアドラー心理学の「課題の分離」です。

「課題の分離」は、アドラー心理学の根幹をなす理論の1つで、その原因はどこにあるのか?を仕分けていく理論です。

これが出来ると、心の健康はスムーズに保たれます。

まさにストレスフリー店長の出来上がりです。

アドラー心理学「課題の分離」とは?

ベストセラー「嫌われる勇気」では、こんな形で説明されています。

まずは「これは誰の課題なのか?」を考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。

そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。これは具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。(嫌われる勇気より引用)

まとめると以下です。

  • 自分の人生をどう生きるか、どう行動を起こすかは「自分の課題」である
  • それを他の人がどう思うか、どう評価するかは「他者の課題」である
  • 承認欲求を捨てて、嫌われることを恐れないことで人は自由になれる

会社員は評価に縛られている。

私たち会社員は、給料を決める評価で縛られた生活を送っています。

見えない鎖のようなものです。

昇進したい、受け取る給与額を上げたいという会社内で前向きな思考であれば、「やりたいこと」であるため良いのですが、無意識に「上司や部下からどう見られているか?」を気にしたり、「これをやらないと評価が・・」と気にしている人達が多くいます。

これは無意識に「自分と他者の課題が一致した状態」であるといえます。

ここを分離するのです。

アドラーが言うように、「承認欲求を捨てて、嫌われることを恐れないことで人は自由になれる」のです。

人間、嫌われるのは嫌なものです。

それは私も同じで顔色を伺って仕事をしていた時期はあります。

でも、そんな時に限って評価はすこぶる悪化していました。むしろ、「評価なんてどうでもいい!」と捨てた段階で評価は劇的に上がりました。行動が大胆になり、上司にも礼儀をわきまえた上で言うべきことは言うからでしょう。

上司の立場になって考えてみても、「部下が評価なんてどうでもいい!」とされるのは恐怖です。

なぜなら部下を会社に縛る、会社の指示を全うさせる唯一のものが「評価」だからです。

会社員が「嫌われる勇気」を持つ究極は・・

会社員という守られた環境で見えない鎖を外した時、パラダイスがやってきます。

これの究極は、窓際族かもしれません(笑)

能力の高い窓際族で、定時に退社し事業を始めようと着々と準備を重ねている状態が理想です。

上司とうまく行かないだけで能力の高い会社員となれればいつでも食べていけますね。

その為には自己育成は欠かせません。

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今の若者は出世に興味ない人は、どんどん増えています。一生、同じ会社でいいと思って入社する人は逆に大丈夫か?と思ってしまいます。

関連記事⇒上司と部下の出世への価値観ギャップは大きい

「自分の課題」と「他者の課題」を分けてみよう!

例題1⃣ 子供が宿題をしないでゲームをしているので、私はイライラした。

例題2⃣ 夏休みには家に帰ってくると思っていた息子が帰ってこなくなり、ガッカリした。

答え=両方とも子供の課題であり、自分の課題ではありません。

例題3⃣ 良いセミナーがあるので友人を参加させたい。

例題4⃣ 部下の挨拶の声が小さい。

答え=3⃣は自分の課題 4⃣は部下の課題

問題は4⃣部下の挨拶の声を大きくさせ、元気にさせたいと思うことでしょう。ざっくりいうと、それは部下の課題です。

つまり、「課題の分離」とは「最終的にどっちの責任か?」という責任の所在を明確にするテクニックのことになります。

少々、トレーニングが必要でしょうか?

アドラーの根底にある考え方は、「他人の課題には踏み込む必要がない」という考え方です。

「課題の分離」をもう少しトレーニング

店長として転勤になり、新しい別な店に行きました。

そこはオープンして15年目を迎える店舗です。ベテランのパートさんが多く、第一印象の雰囲気も微妙な印象でした。

「どう思われるかな・・」

「店長として活躍できるのかな・・」

初めは、こんな思いが沸き起こるでしょう。でもこれはご存知の通り、「他者の課題」です。

基本的にあなたはどうすることも出来ません。

つまり、「相手が自分のことをどう思うか?」は他者の課題であり、あなたが悩むべき課題ではないのです。

慣れてきたでしょうか?

 

でも、嫌われたくないよ!!

それは私も同じです。

アドラーの考え方が全てではありませんし、嫌われないように生きることを否定はしません。

コミュニティは大事ですし、仕事をする上では仲間は大切にしたいものです。

ですから、この嫌われないように生きるために先に心に安定をもたらし、自己肯定感を高めておくことをお薦めしています。

しっかりとした店長としてのパフォーマンスを発揮してもらうために「課題の分離」を心得ておくのです。

まずは、自分が幸せであること。

その上で他者を幸せにする。

この順番でないと、ただの偽善者だと思います。

そして、「嫌われたくない!」と言える時点でかなり理解出来ているはずです。自分に素直に生きるのが最高の生き方です。

「課題の分離」を行うことで「NO」と言える

課題の分離を行うことで、「自分の思う最高の選択」ができるようになります。

自分で選択したことは、受け身でなく能動的なわけですから、責任は自分にあります。

誰かにやらされた考えではなく、自分で決めれるので「内発的動機付け」にもなります。様々な心理要素を含め、自分の意志で行動ができるようになるのです。

自分は自分、相手は相手。

自分の行動に信念を持てるようになります。

「とりあえずやる」はNGです。

私は、会社で納得してないけど「とりあえずやってみよう」というのが嫌いです。

一見、正しい言葉に聞こえますよね。

上司から言われて、仕事してる風な感じを出すために「とりあえずやる」。ここには大きな問題があります。

一番の問題は、「無駄なことに時間を使うこと」です。

自分でなくても出来る事なのに、指示をされたからやる。

必要じゃない可能性が高いのに、指示をされたからやる。

「ほら、やっぱり意味無かった・・」

時間は有限です。もし、無駄だと思っているものがあったり、無駄だと思う指示が来たら笑顔でこう言いましょう!

「やりません!!!!」(^^)/

「意味ないですよ!!!」(^^)/

イライラされたら、それは上司の課題です(笑)

スッキリ、ストレスフリーですね(笑)

まとめ

後半は刺激的な表現になりましたが、伝えたいことは「課題の分離」は使える心理です!ということです。

見えない鎖に縛られて、気付いた時には「うつ病」になっている・・

こんなマネジャーは五万といます。

「店長力向上のすゝめ」というブログタイトルの店長力とは、売上を上げることであったり管理レベルを上げるであったり、店舗運営のことだけではありません。

「店長が店長らしく、心身共に安定し、憧れの存在であること」

これがベースにないとただキツイだけの職種になります。

「嫌われるのが怖くて、部下に何も言えない・・」こんな残念な店長は嫌われること以前に魅力的ではありません。

これを機に「自分の課題」と「他者の課題」を切り分けられる存在でありましょう。

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