店舗運営テクニック

マグネット理論を駆使した店舗レイアウトで顧客を惹きつけよう

投稿日:2019年11月5日 更新日:

マグネット理論

こんばんわ!森友です。

今日は小売業チェーンストア理論の1つである「マグネット理論」について触れたいと思います。

チェーンストアは、アメリカで110年前から始まったとされています。世界最大の小売はウォルマートで世界で約1万店舗が営業をしています。

このとんでもない数の店舗運営を可能にするのがチェーンストア理論です。

私がいる会社もチェーンストア理論を最重要として運営しています。

売場作りで活かされるものは、マグネット理論です。そのままですが、「マグネット」とは「磁石」のことで売場それぞれに魅力をつけて顧客を惹きつけます。磁石理論ともいいます。


マグネット理論を駆使した店舗レイアウトでお客様を惹きつけよう

顧客へ心理的誘導を行い店内をくまなく歩いてもらうために、第1から第4マグネットまで4つを定義付けています(以下の画像では磁石と表現されています)

マグネット理論

第1マグネット

第1マグネットの定義は「主力商品」です。主通路の両側に位置し、壁面の展開も第1マグネットとなります。

寝具売場であれば布団、キッチン売場であればフライパンや鍋などが該当します。食品スーパーであれば、肉や野菜、魚などの主力商品です。

第1マグネットが弱いと顧客は店舗に魅力を感じませんので、再入店しなくなる可能性さえある重要な売場です。

第2マグネット

第2マグネットは、主通路の突き当たりに位置します。第1マグネットの「主力商品」という定義に、更に「明るく華やかな季節感のある商品」という定義がプラスされます。

アメリカのチェーンストアでは、ビジュアル・プレゼンテーションを行います。スポットライトで照らしたり、商品のトータルコーディネート陳列を演出します。最近の日本の店舗でも取り入れるところが増えてきました。

数多くの商品を組み合わせながら、それぞれの色彩が調和し誰もが近づいてしまうよう演出します。

ベッドバス&ビヨンド

この第2マグネットが雑だとお客を奥まで誘導出来ないため、買上点数は下がりますので売上に大きな影響が出ます。

セルフサービスの店は特に意識したい売場です。

間違ってはならないのが、主通路から見て壁面に見える位置は第1マグネットでもあるのですが、突き当たりに位置するため第2マグネットでもあることです。

第3マグネット

ウォルマート

陳列のエンド部分のことを指します。

定義は「季節品」「特価品」「大量に売りたい商品」です。

サブ通路にお客を誘導するために欠かせないのが第3マグネットです。

この第3マグネットは、1~3週以内に商品を入れ替える必要があります。定期的に入れ替えることでお客を飽きさせないようにすべきです。

よくこの第3マグネットに定番商品を置いたままにしている店がありますが、客数に影響しますので注意が必要です。

戦略的にお客を飽きさせないよう変え続けます。

第4マグネット

第1・第2・第3マグネットに誘われて主通路を歩いている顧客をサブ通路に入れるための効果として第4マグネットがあります。

値下げスポッターや、スタンドPOPを配置しお客が特に注目するように目立たせる必要があります。

このサブ通路にいかに顧客を誘導できるかが、売上を劇的に上げる方法でもあります。この引き込みが弱いと「主通路沿いでしか買い物が成立しない」なんてことも起こります。




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マグネットを一番駆使しているのはコンビニ業界

あの狭い売場の中で、心理誘導を駆使して売上を作らないといけないのです。まさにコンビニはマグネット理論(心理的誘導)の宝庫になっています。

コンビニのレイアウト

コンビニのマグネット理論を具体的に説明します

入口近くの雑誌売場では、立ち読みをしてもらっても車道からみて、人がいることで安心を与えます。

買上率の高いペットボトルは一番奥にあり、お客様を奥へと誘導する役割を持っています。

これがレジ周辺であれば直ぐに目的のものを購入し、レジに向かわれてしまいます。一番奥にあることで他の商品との接触率を高めて追加販売を誘発するのです。

パンの後ろには牛乳やコーヒー・サラダがあり、パンではなく弁当になれば一気に単価も上がります。ついでに菓子パンやデザートを買うかも知れません(私なら必ず甘いモノを買います・・)

セブンイレブンは今、レイアウトを刷新しています

コンビニチェーンの中でも、セブンイレブンは特にレイアウトに拘りを持っているように感じます。元鈴木会長の想いが込められた素晴らしい配置です。

セブンイレブンでは2017年よりレイアウト変更を随時行っています。新たなレイアウトはレジが一番奥になるものです。

この形状を見た方はいますか?

なぜ、こんな形のレイアウトにしてるかというと理由が3つ見えてきます。

  • 1点目は、入口から入って即タバコを購入されて退出されるお客様へ、「ついで買い」をさせるためです。奥に行くことで帰りがけに振り返って買う可能性が高まることが理由です。
  • 2点目は、冷凍食品を拡大させるためです。高齢化対策の1つでスーパーより高いですが、味は美味しいことでコンビニのニーズを高めることが狙いです。
  • 3点目も冷凍食品に関してですが、廃棄を減らすためです。飲食は廃棄をいかに減らすかの対策しないと利益を大きく圧迫します。

まとめ

マグネット理論は、売場を作る上で欠かせないものですが、残念ながら常に定義まで意識して売場を作っている店舗は少ないものです。

本部指示で売場を変える際に、元々想定していた売場レイアウトが崩れることもあります。

第3マグネット(エンド)を頻繁に変えようにも、新たな商品が無ければ変え続けることは困難です。

アメリカのチェーンストアでは、現場が迷わなくても良いように指示の出し方まで徹底して研究します。ガムをくちゃくちゃ食べながらでも正確に作業が可能なように指示書を出すのです。

チェーンストア理論は、科学的に現場経験を理論化したものです。

マグネット理論を活かした売場で意図した通りの売上が変わった時に、働いていて本当の楽しさが湧いてきます。

今日も最後まで見て頂きありがとうございます(^o^)丿


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