ハーズバーグの「動機付け要因」と「衛生要因」はご存知ですか?
店長がマネジメントをする上で絶対に知っておいた方がいいのが、この2つの要因です。
部下のモチベーションを上げる方法がわからない上司の方々も必見の内容です。単にこの「動機付け要因」と「衛生要因」を伝えてもつまらないため、なるべく身近な事例を交えてお伝えします。
このブログで得れるもの
1⃣部下のモチベーションUP方法がわかる
2⃣褒めてもモチベーションを上げれない理由がわかる
3⃣「動機付け要因」と「衛星要因」が何か具体的にわかる
動機付け要因と衛生要因とは?|モチベーション向上術
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「動機付け要因」「衛生要因」を図で解説
引用:東洋経済オンライン
この図はめちゃくちゃ使えます。右図と左図で分けて自身の経験と照らし合わせてみてください。
中心の線から右が「動機付け要因」、左が「衛生要因」です。
このどちらにも棒線グラフが掛かっているのがわかります。これは、どちらにも影響があるという意味です。
「動機付け要因」=満足を招いた要因のこと
部下に満足させることで、モチベーションを向上させることが可能です。その為には「動機付け要因」にアプローチします。
「動機付け要因」の影響順位は以下です。
- 達成 40%
- 承認 30%
- 仕事そのもの 20%
- 責任 18%
- 昇進 10%
- 成長 6%
このように「達成」と「承認」の満足度が飛びぬけて高くなっています。
仕事の「達成」を味合わせて、「承認」してあげることで部下に「満足」を招きます。
決して「昇進」「昇格」「給与」がモチベーションを向上させるのではないのです。
店長など管理者は部下のモチベーション向上に苦慮している人は多くいます。
パートさんの時給UPや、社員評価を上げてあげる事でモチベーションを上げようとするのではなく、「達成感」を与え、言葉で「承認感」を与えてあげましょう。
店長まで来る人であれば任された仕事が達成した時の感動を得たことはあると思います。この経験があれば何を言っているのかおわかりですね。
「衛生要因」=不満足を招いた要因
「動機付け要因」との逆で不満足を招いた要因が「衛生要因」というものです。
- 会社の方針と管理 35%
- 監督 20%
- 監督者との関係 12%
- 労働条件 11%
- 給与 10%
- 同僚との関係 5%
- 個人生活 3%
こちらも飛びぬけているものは、「会社の方針と管理」です。
会社(店舗)の方針がわからない、管理状態が悪いというのは強い不満だということです。
次に来るものが「監督」「監督者との関係」です。
店舗であれば「店長」。会社であれば「上司」のことです。評価者である上司、店長との関係が悪い・・信用できない・・というのは相当なストレスですから不満につながります。
このパーセンテージが面白いと思ってよく見るのですが、4位以下の「労働条件」「給与」「同僚との関係(人間関係)」はそこまで大きな不満となっていない点です。
繰り返しになりますが店長は、パート・アルバイトさんとの給与を上げてあげてモチベーションを高めたいと思うのが普通です。でも、これは不満を解消しているだけ・・である可能性が高いのです。
確かに時給10円~30円上げて、嬉しいとも思いますが実質、そこまで給与は変わりません。右側の満足の項目にも棒線グラフがあるように満足でもあるのですが不満足を解消する目的の方が大きいのです。
これまで時給を上げて、労働条件を見直すことで仕事のモチベーションを上げようと頑張って本部と交渉してこられたのにそこまでスタッフに影響を与えられなかったのであれば理由はここにあります。
一番大きな不満が「会社の方針と管理」ですので、1つ例を追加すると、スタッフ用のトイレを改装してキレイにしたとします。とても古いトイレでした。それを200万かけて改装しました。全室最新のウォシュレットです。壁も床のタイルも全てピカピカです。
これで「仕事やるぞー!!」ってなりますか?
ならないですよね?
トイレが古く壁が汚かったことで不満だったのです。不満を招いていた衛生要因が解消されました。
部下のモチベーションを上げる方法
上の図をそのまま活用します。
部下に達成感を味合わせればよいのです。わが社の例を取れば、店舗間対抗のキャンペーン企画があります。
皆さんの会社でもありますか?
期間中の売上を狙って、上位5位以内に入ったらインセンティブが貰えるというものなのですが上位に入ることでモチベーションが上がる店舗数は多くないため無理に上位は狙いません。
それより、達成感を味わうことを最重要とします。
例えば50店舗あり、上位5店舗であれば10分の1の割合です。当然、ここで上位を狙える実力があれば死ぬ気で取りにいきます(部下の動機付け要因を満たしたいため)
でも前回が30位とかであれば、次は15位を目指します。それも主幹者を店長がやるのではなく、社員やパートリーダーを充てます。
30位⇒15位ですから、2倍の順位に上昇するのです。
目的は、「動機付け要因にアプローチすること」ですので、頑張ればなんとかなるくらいの位置に目標を設定します。
常に任せているスタッフ以外(期待しているスタッフ)に推進者を任せた時点で不安はあるでしょうが、一度任せたら徹底してフォローすればよいので大丈夫です。
ここで15位という店長の設定した目標を達成したとすれば、ベタ褒めしてあげてください。
仮に10位だったとします。
「でもここまで来ると、5位目指せたんじゃないか⁇って欲が出てきました‥」
この流れであれば、1位を取るのは時間の問題です。
動機付け要因へアプローチし、達成と承認を同時に得たため、仕事へのモチベーションがどんどん上がります。こうなると給与とか、労働条件とかで仕事はしていない状態です。
モチベーション高く仕事が出来ていますので、たとえ不満足の状態があったとしても気にならなくなります。それぐらい満足を招く「動機付け要因」はパワーが強いのです。
承認欲求を満たす3つの欲求とは?
次は「動機付け要因」、「衛生要因」の先にある承認欲求についてです。
こちらもパワーがある3つです。
- 成長承認の欲求
- 存在承認の欲求
- 成果承認の欲求
成長承認の欲求とは?
成長承認の欲求とは、店長が部下に「今日も頑張ってるね!」と声をかけることです。
「以前より成長したね」の表現になります。これは嬉しいですよね?
私も今でも上司に褒められると嬉しいものです。万国共通、老若男女問わず褒められると嬉しい。この成長承認の欲求を満たせると、モチベーションはどんどん上がります。
存在承認の欲求
存在承認の欲求とは、その名の通り相手の存在を認めてあげる「認識してますよ」と表現することです。
身近な例であれば、「〇〇さん、おはようございます!」という「〇〇さん」にあたるものが存在承認です。さん付けをすることで、相手を敬っていることがわかります。
私たちの会社では名前の呼び捨てはしません。「さん付の文化」と言っていますが社長以外は、役員も役職で呼ぶのではなく「〇〇さん」です。
この存在承認の欲求を甘くみてはいけません。
なぜなら、人が一番恐れるものは「存在を否定されること」だからです。
これ以上怖いものはありません。それを「〇〇さん」と敬う時点で救えるのです。
飲み会に誘うのも同じ理由です。誘って来る来ないは本人次第です。行きたくない飲み会であれば行かなければ良いので、誘われない時点で存在承認が侵されます(相手が断りやすい表現を学びましょう)
スタッフには毎回、存在承認を満たせてあげることです。
成果承認の欲求
成果承認の欲求とは、半期評価で時給が上がることや賞金、キャンペーン上位者へ図書券などのインセンティブを与えること等です。
これも嬉しいのですが、時間とお金がかかります。
逆にやりすぎると賞金、図書券目当てで仕事をすることになりますし、時給であれば半期先まで欲求を満たさないのは勿体ないことです。
部下のモチベーションを上げられない上司は、ここでも失敗しています。
成果が出るまでスタッフの承認欲求を満たさないのではなく、上段2つの成長承認、存在承認を満たせてあげましょう。
まとめ
ハーズバーグの「動機付け要因」と「衛生要因」は有名なのですがあの表だけみても何のことかイマイチわかりません。
身近な事例は店長である皆さんも表をみて店舗を想像して頂ければたくさん出てくると思います。
パートさんから不満が出る店長は、今も何が悪いのかと頭を悩ませているでしょう。
褒めているのに、不満が出るのは何故だろうと・・
これを見て頂ければ、褒めるということは「満足を招く(動機付け要因)」で不満を解消したいのであれば「不満足を招く(衛生要因)」にアプローチすればいいとわかります。
これを見て頂ける皆さんの店舗マネジメントが、今よりもっと輝けるよう力になれたら幸いです。