こんにちは!森友ゆうきです。
「店長になったけど、まだ自信が持てない…」「人に教える前に、自分がちゃんとできているか不安…」
そんなふうに思うのは、ごく自然なことです。
研修を行っても、すぐに出来ること、すぐに出来る人はそこまで多くありません。
実は、成長には“順番”があります。
今回はNLP(神経言語プログラミング)で使われる「学習の5段階モデル」を使って、自分がどのレベルにいるのかを確かめながら、安心して前に進める考え方をご紹介します。
因みに、
この5段階は、私が研修の最後に出すスライドです。
【最新記事の目次】
NLP学習の5段階レベルに学ぶ|教える前に“自分が育つ順番”を知ろう
NLPラーニングセンター公式HPから引用
第1段階|無意識的無能(知らない・気づかない)
この段階では、まだ「自分ができていないこと」にすら気づいていません。
たとえば、昔の私はコーチングやチームビルディングなんて言葉も知らず、「店長は結果を出してナンボ」と思っていました。
でも今思えば、それは“知らなかっただけ”。
できていないのではなく、やり方をまだ学んでいなかっただけだったのです。
第2段階|意識的無能(「できない」と気づく)
ここは少しつらいステージです。
なぜなら、「できていない自分」に気づき始めるから。
たとえば…
- 1on1で問いかけたはずが、相手が困った表情になった
- チームをまとめようとしても、空回りしている気がした
でもこの段階こそ、本当の意味での成長のスタート地点。
「できていない」と思えるのは、できる状態を“知った”証拠です。
ここで諦めるのではなく、「どうすればできるようになるか」を考えられるようになると、次のステップに進めます。
第3段階|意識的有能(考えればできる)
ここに来て、ようやく「やってみたら、できた!」という感覚が生まれ始めます。
まだまだ緊張感はあるし、自然体ではありません。
でも、マニュアルやフレームワークに沿って行動できるようになっただけでも、大きな進歩です。
たとえば…
- 1on1の流れを紙にメモしながら部下と面談してみる
- チームミーティングの議題を事前に考えて、促し方を工夫してみる
「意識すれば、できる」状態。
店長として店舗マネジャーとして一人前のスタートは、ここからです。
第4段階|無意識的有能(自然にできる)
このレベルになると、“考えなくてもできる”が当たり前になってきます。
相手の表情を見て言葉を選んだり、チーム全体の空気を感じ取って場を整えたり。
一言で言えば、「感覚と技術がつながった状態」です。
ここまで来ると、自信が湧いてきます。
自然体で動いていても「なんかうまくいく」「信頼されている」という実感が得られます。
店長が目指すべきはこの“第4段階”です。
無理に誰かを育てようとしなくても、
あなたの背中や言葉が、自然と周囲に影響を与えていきます。
第5段階|無意識的教示(教えるプロの技術)
さらにその先、「自分がなぜうまくできるのか」を言葉にし、相手に合わせて伝えられる段階があります。
これは、プロ講師、プロコーチなど“教えることを仕事にする人”の領域です。
たとえば、少々おこがましいのですが、私はコーチングに対してはこの段階に進んで初めて、「なぜコーチングが機能するのか」「どうすればリーダーが育つのか」を分解して伝えられるようになりました。
現場にもある「5段階」|新人パート×入荷処理で考える
この5段階モデルは、自分の成長だけでなく、他者育成の見立てにも役立ちます。
たとえば、新人パートさんが「入荷処理」を覚えていく過程を考えてみましょう。
■ 無意識的無能|まだ“知らない”状態
「このダンボール、レジに持っていけばいいんですか?」
入荷処理の流れや意味をまったく知らず、ただ“その場にいる”だけ。
■ 意識的無能|「できない」と気づく
先輩の動きを見て、「これは私にはまだ無理かも…」と気づく段階。
緊張と不安でいっぱい。最初の1週間が辞めやすいのは、まさにここ。
■ 意識的有能|意識すればできる
マニュアルや声かけを頼りに、伝票を見て、バーコードを確認し、並べることが少しずつできてくる段階。
■ 無意識的有能|自然に処理できる
箱を開ける前から「これは○○売場」「冷蔵品は優先」と判断できる。
この状態になると、戦力として安心して任せられます。
■ 無意識的教示|新人に伝えられる
「この順番で見ると早いよ」「ここ、間違いやすいから気をつけてね」と、
自分のやり方をわかりやすく教えてくれるベテランさん。
まずは“自分自身”がどこにいるのかを知る。
そして、相手の段階を見極めて支える。
この見立て力が、育成における最大のヒントです。
おわりに|“プロの域にならなくてもいい”という安心
私たちはつい、「もっとできるようにならなきゃ」「完璧じゃないと教えられない」と思い込みがちです。
でも、NLPの学習5段階モデルを知ると、自分の位置が見えるようになります。
「あ、私は今まだ意識しないとできない段階なんだ」
「自然にできるようになったこともあるな」
そうやって、自分の成長を客観的に見られるようになると、焦らなくなる。
そして、「じゃあ次はここを意識してみよう」と進めるようになります。
目指すべきは、教えるプロじゃなくていい。
あなたの現場で、第4段階”(無意識的有能)自然にできること”が増えていけばいい。
できなかった自分に落ち込むのではなく、
できるようになった自分に気づきながら、一歩ずつ階段を登っていきましょう。
今日も、明日も、あなたの現場に「小さな成長」がありますように。
投稿日2025年5月|森友ゆうき