店長として、一番悲しい出来事は身内で「不正行為」があることでしょう。
お金を盗むという大胆なことで無くとも、ポイントカードのポイントを自身のポイントにすり替えたりも立派な不正行為です。
物もサンプル品を店長に無断で持ち帰る、もしくは廃棄予定のものを仲間内で無断で持ち帰る‥この辺りも撲滅するべきです。
飲食店であれば、まかないのオカズを割り増しししたりも同様です。
これは、店長や本部で決められた範囲の中で実施するのであればいいのですが曖昧が一番良くありません。
いわゆるグレーゾーンです。
このグレーゾーンというものをいかに白黒つけるかも大事な店長、本部の役目になります。
現場で働いていると、決まってないことが多々あるものです。
全てをマニュアルには出来ませんので”常識の範疇で”とか、”現場判断で”と安易になりがちになります。
ですが、この不正に関わる事項に関しては厳正に「してはいけないこと」を決めると良いでしょう。
理由は、店長ご自身と大切なスタッフの皆んなを守るためだからです。
店長自身が不正を発見するスキルを磨くことも必要ですし、本部機能として不正を発生させない仕組みにすることも必要です。
ある調査によると従業員による不正行為”いわゆる従業員による万引き”は客による万引きの実に15倍になるといわれています。
中には社員など全てのセキュリティーを抜けれるスタッフも居ますので、対策は慎重に行う必要があるのです。
今回は不正行為の中でも「モノ」と「カネ」を未然に防ぐ対策について記載します。
店舗スタッフの不正行為を未然に防ぐために、まず店長がすべきこと
①不正事実を発覚したら、速やかに本部へ全てを報告する
世の中の従業員不正の中で一番多い不正が「モノの不正」でしょうか。
多くのな手口がありますが、店舗や倉庫に保管されている商品を持ち帰り、あるいはメルカリやオークションサイトなどを通じて換金したりすることが代表的な犯行です。
特に高額商品を扱っている会社、お店であれば深刻な要素です。
また、金銭に関連しては、友人や家族と共謀して商品を渡す(店の外に持ち出す)という手口があります。
さらに手の込んだ犯行としては、ショッピングモールなどでは、従業員が近隣の店舗の従業員とお互いの商品を持ち出すことを黙認するというケースもあるようです。
一方で、レジ登録を行っているからといって、安心はできません。
レジ登録の際に、値引き登録や売価変更登録を悪用して、たとえば5000円の商品を1000円で販売することも可能です。
精算をしているので現金不足は発生しませんが、差額の4000円は利益を低下させるというロスなります。
そして、管理する側の責任者が値引き登録や売価変更の不正を行う場合は、見落とされたりするので、エリアマネージャーや会計監査など本部側のチェックが重要になります。
店長及び社員がスタッフの不正行為を見つけた場合は、速やかに本部へ報告するのが鉄則です。
そこに情け容赦は厳禁。
「彼はいつもしっかりとやってくれていた」
「自分が採用したパートさんだし、発覚すれば自分の信用が落ちる」
などこの期に及んで保身に走ることも想定できます。
でも、ここは当然ですが毅然とした態度で本部とエリアマネジャーへ報告することです。
そして、判断をする上で一番需要なことがあります。
それは「疑いの時点で報告をする」ということです。
正確にはまだ不明である、ただ疑いがある。ここで報告が正解です。
それも可能なだけ早く報告をすることです。
数日判断が遅れると、店長自体の責任はどんどん重くなっていきます。
チェーンストアであればこの辺りは徹底されていることかも知れませんが、判断がブレないように日頃からコミュニケーションすべき内容です。
究極は、店側で何も判断しないということです。
速やかにわかる範囲を5W1Hでまとめて報告出来ればいいですが、わかる内容だけでまずは十分です。
追加調査をする、しないに関しても本部機能がある会社であれば本部が決めるべきことです。
現場で判断することではありません。
該当が店舗スタッフであれば、他のスタッフの目もあり、万が一ただの勘違いだった場合には疑われた本人が今後、その店舗で働きにくい状況になることも想定されます。
あらぬ疑いをかけられたと逆に訴訟の可能性だってありますので、この辺りも本部でハウツーを決めておくべきでしょう。
②少額レジ違算が発生した場合も原因究明するまで調査を止めない
今は自動釣銭機のお店も多いため、以前に比べれば違算が発生しにくい環境かと思います。
たとえば、1円の違算があった場合はも銀行などは徹底的に原因究明するまで探し続けると聞いたことがあります。
客商売の場合、現金が動きの中で飛びまわりますので、軽視しがちになります。
レジ違算報告書なるものを書けば許される。
「現金違算?1円でしょ?」
「レジ違算報告書に書いておけば大丈夫だから、書いて押印しておいて」‥
一部でやさしさなのかも知れませんが、これが危険なのです。
1円の違算が発生した場合は、ここぞとばかりに店長が積極的に這いつくばって探すべきです。
店長がこの這ってでも探す姿をスタッフに見せるのです。
そこでスタッフは学びます。
「ミスはしてはないらないんだ」と。
そして、無かった時に報告書にまとめるのです。
ここは微妙なのですが、報告書も難しすぎたりすると、現金をポケットマネーで追加して(もしくは減らして)違算を調整しようと思うかも知れません。
現金を一時的に追加して違算を調整した場合、次にレジで過剰があった場合には抜くという行為に及ぶ危険もあります。
これこそ窃盗です。
店長や社員の方の軽はずみな言葉、脇の甘さで身内の店舗に犯罪者を作らないようにしたいものです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
店舗内、いわゆる”身内”での不正行為は店長にとっても、全スタッフにとっても非常に心が痛む行為です。
「違算」と「不正」は文字通り大きく違います。
「ミス」なのか「犯罪」なのかの違いです。
犯罪なのであれば、マスコミの対応が必要になる可能性もあります。
1つの事例で、店長がどれだけ想像を膨らませるかも会社を守る大事な要素です。
そして前述のとおり、疑ったことで逆に落ち度にならないよう、慎重かつ速やかに本部へ報告をしましょう。
最後に。
店長が幸せになるためには不正行為の温床に繋がるものは撲滅させることが必須です。
折角の日々の努力も予期せぬことで水の泡にならないようにアンテナを張り未然に防ぎましょう。
先日のブログに入社時の対策も記載しています(以下参照)