帝国データバンク(人手不足に対する企業の動向調査2019年1月)によると、2018年に人手が不足して倒産した件数は153件で前年比44.3%増になったそうです。正規社員の不足が53.0%(前年+1.9増加)、非正規社員の不足が34.4%(前年+0.3%増加)となり、中でも飲食店の人材不足は深刻で84.1%(前年+9.8%増加)が人材不足となっています。
引用:帝国データバンクPDF
要するに、殆どの飲食店では猫の手も借りたい状態だ!ということですね。大半の店舗で人件費はカツカツで運営していますので、1人辞めたらその時点で人材不足‥なんて店も多いでしょう。
私は店舗運営歴は20年になります。その中で人材不足と感じたのは、23歳で初めて店長をやった時だけです。それも2か月くらい。
一昨年まで今の会社で都市部や地方でもエリアマネジャーをしていましたが、人手不足はことごとく解消してきました。人手不足な店にはある共通項があります。
人手不足の店長必見!続くアルバイトが集まる方法
①店長が面接を軽視している店舗は人手不足確定!
まず、大前提ですが面接を店長が行っていない店は大方、人手不足です(偏見盛りだくさんです)
業態にもよるでしょうが、年商20億円未満の店舗で店長以外が面接出来ないのは採用活動自体を軽視していると見ています。
通常業務が忙しいのか、その場にいないのかは置いておいて、「面接には店長の力を全力投球しましょう」と伝えています。
プロ野球であればドラフト会議と状況は同じです。
スカウトが何年もかけて全国を飛び回り、意中の人材をリストアップする闘いです。
最高のレギュラーを獲得するチャンスがあるのに、店長以外が面接をする・・・本当に良い人材を採ろう、育てようと思ってますか?と疑問になります。
余程、副店長(サブリーダー)以下に人を見る目があるのであれば別ですが、最悪の場合は入社3年目クラスの若手が面接をしている場合もあります。
店長が居ないのであれば若手でも致し方ありません。ただ、なかには居るのに(多少、面接時間を変えれば面接可能なのに)面接をしない店長に「人手不足の原因あり!」です。
会社の新卒採用活動は多額の経費を投入します。1人を取るのに53.4万かかると言われています。地域差はありますが、パート・アルバイトでは採用単価5.3万円が全国平均です。
利益率10%の店で、5万円のアルバイトを採る場合は(5万円÷10%=)50万円以上の売上を上げないとマイナスになる計算です。
これだけコストを掛けておきながら、面接に店長以外が行う。如何なものでしょうか?
さすがにこんな会話で‥と思うかも知れませんが、人材不足の店の典型は、第一印象だけで見誤ることです。
店長が見てないのですから、面接官を信じるしかありません。これを見ている皆さんは、店長が面接しているのに人材不足ですか?
それであれば次のポイントです。
②面接時に採用されてからのベネフィットが伝えられているか?
「ベネフィット」とは、メリットのことです。更に、「利益や」や「ためになること」の意味もあります。
採用されて働くことになった場合「あなたにはどんな働くメリット、ためになることがありますよ!」と面接時に伝えることを指します。
これはすべての人に伝えるのではありません。この人いいなと思えば、すかさずベネフィット話法を織り交ぜるのです。
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うちで働くと、数多くのお客様に出会うので第一印象を鍛えることが可能になるよ。
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業界の裏側も見えるしね。〇〇さんの将来に役立つんじゃないかな。採用された人にしか、今しか味わえない醍醐味だよ
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〇〇さんみたいに、初め不安な人はたくさんいるよ。でも見てみて、今は楽しさそうに働いているでしょ。乗り越えると変わるよね人は。
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うちは男性が今不足していて困っていたんだ。〇〇さんが入ってくれたら主婦さんたちも女性の若いスタッフも喜ぶよ。
面接して採用しているのに初日来ない‥という経験はほぼ記憶にありません。でも大半の面接官が採用辞退を多く味わっているそうです。
上記のようなベネフィット話法を使っていますか?使っているのに、採用辞退が多いのであれば根本的に問題がある可能性があります。
言い難いですが、
店長自身に魅力がない可能性(服装、顔の表情、話術)
お店の雰囲気がよくない(建物が酷い老朽化、スタッフの表情、指示されている風景etc)
面接してみたのに、自分が力を試したいと思わなかったということです。
大抵の辞退理由はベネフィットの無さであり、働ける条件ばかりを聞く面接であることが辞退の原因です。
何曜日出れるか、いつから出れるか(早く早くオーラ)、テスト期間は休まれると困るオーラ。
これでは、休日にも「今日出れないか?」電話が掛かってきそうですよね?
店長がしっかりと、この店で働くベネフィットを使い働くモチベーションを上げてあげましょう。
③採用後も店長の継続的なフォローを。
採用して辞める人は、初めの1週間~1か月に多いもの。
この時にも店長の力が必要です。なにもすべての時間で、という訳ではありません。
勤務終了時でも、なんらか会話をしてあげる。気に掛けてあげるだけで大きく成果は変わります。
この会話からで十分です。働いてみたら、違った‥と思っても店長が気に掛けてくれて会話があるのと会話が無いのとでは違いますよね?
イメージと現実は多少違って当然です。
そこに違和感を持ったままだと違和感というマイナスのイメージは増幅していきます。相手に意見を言うのではなく、軽くでいいので話を聞いてあげてください。
出来れば「傾聴」のスタンスです。この面接してくれた店長に聞いて貰った、という経験が本当に嬉しいものです。自分という存在を認めてくれて、店長が守ってくれようとしてくれているのですから。
皆さんにもその思い出はありませんか?
まとめ
今回は、実務レベルでのブログになりました。自分でいうのもおかしいですが、現場経験は豊富です。
私は全国を回ってますので、人手不足の店があればこの話をします。そして、募集媒体自体を眺めます。
なぜこの媒体のなかに問題があるのかも同時に考えます。
時給の問題
媒体の問題
面接官の問題
大きく分けてこの3つです。
時給の問題は、可能なら業界で地域一番時給に設定することで解消します(10円高いくらいで十分です)⇒アルバイトさんも賞与があるなら、賞与なしにして時給に合算させます。
また現在が交通費支給であれば、地域の募集媒体をみて交通費支給を無くし、その分を時給に乗せて時給全体を高単価にするのも手です。この辺りは大手であれば労働組合もありますので、非常に慎重に進める必要が出てきます。
媒体の問題は、ゲラの大きさを変えることでも可能性は広がります(多少経費をかけてでも、今集めると決めたら大きく1回だけ出します)
2度掲載するのと単価はさほど変わりません。なるべく募集は1撃で仕留めることを念頭におきます。新店舗採用でも1撃で終了させます。
何度も出すと、それだけで人気の無さを公開しているようなものです。中には毎週のように掲載している店がありますね‥そんなお金があるのであれば時給を高く設定すれば元が取れますし、みんながHAPPYです。
今はネット媒体も多いので、よく対策は練ってください。そして都度効果検証が必要です。
4月~5月・6月にかけては年内で一番店頭募集が集まる時期になります。
POPを書くだけですので、採用経費はゼロです。また、従業員にはお友達を連れて来ていいよ!と伝えます。秩序は守ってもらいますが、こちらも採用単価はゼロです。
店長が面接に意識を集中させることで、自ずと人手不足は解消されていきます。簡単に辞めない、良いアルバイトを店舗のレギュラースタッフとして育てあげましょう。
今日も最後まで見て見て頂きありがとうございます(^o^)丿