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店長の種類一覧|小売・飲食・サービス業に共通する本質とは?

投稿日:2025年5月23日 更新日:

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店長の種類一覧|小売・飲食・サービス業に共通する本質とは?

こんにちは!森友ゆうきです。

「店長」とひとことで言っても、その立場や役割はまさに十人十色。
コンビニの夜勤を束ねる店長もいれば、塾で生徒と向き合う店長、地域に根差したベーカリーのオーナー店長もいます。

この記事では、日本に存在するさまざまな店長の“種類”を業種別に整理しつつ、どの店長にも共通する「本質」を掘り下げていきます。

店長を目指す人はもちろん、今すでに店長として頑張っているあなたにも、「自分の立ち位置」と「これからの伸びしろ」が見えてくる記事になれば幸いです。


第1章|店の数だけ、店長がいる

「店長」と呼ばれる人は、全国でいったいどれくらいいると思いますか?

総務省の各種統計をもとに推計すると、店長職にあたる人は日本に約50万〜100万人存在すると考えられます。

  • 飲食店の事業所:約50万店
  • 小売店の事業所:約70万店
  • 美容室・理容室:約25万店
  • 学習塾:約4万教室

事業所ごとに責任者が1人ずついると考えれば、それだけの“現場”に店長がいる計算です。

そして当然ながら、その一人ひとりの「役割」や「求められる力」は異なります

たとえば売上重視の量販店と、お客様対応が肝になるサロン型店舗では、店長に求められるスキルはまったく違います。

次章からは、代表的な業種に分けて、「どんな店長像」が存在するのかを具体的に見ていきましょう。


第2章|小売業の店長たち

まずは日本でもっとも店舗数が多い「小売業」から。

小売業の店長は、日々の売上管理はもちろん、在庫・発注・シフト・VMD(売場づくり)など、実務全般を統括する“多機能マネージャー”です。

総合スーパー型(GMS)|イオン・イトーヨーカドーなど

  • 特徴:食品、衣料、住居の複数フロア・多部門をまたぐ統括
  • 求められる力:部門マネジメント、在庫管理、スタッフ育成、店内連携

専門店型|ユニクロ・無印良品・ABCマート・ニトリなど

  • 特徴:本部指示が明確で、現場は完全実行力が問われる
  • 求められる力:本部連携、オペレーション整備、個人KPI管理、接客水準の維持

家電量販型|ヤマダ電機・ビックカメラなど

  • 特徴:高単価商材を扱い、提案販売と接客教育が肝
  • 求められる力:商談力、商品知識、スタッフ指導、接客水準の向上

ホームセンター型|カインズ・コメリなど

  • 特徴:DIY、資材、季節商材など商品回転が読みづらい
  • 求められる力:地域性の把握、在庫管理、棚割設計、オペレーション整備

コンビニ型|セブン・ファミマ・ローソンなど

  • 特徴:シフト管理と短時間教育が成果に直結
  • 求められる力:早朝・深夜の安定運営、オペレーション整備、防犯

ドラッグストア型|マツキヨ・スギ薬局など

  • 特徴:調剤部門との連携、登録販売者の育成が必要
  • 求められる力:医薬品知識、在庫管理、接客力、法令理解

一言に「小売業の店長」と言っても、商品構成・業務内容・来店客層によって求められるスキルはまったく異なります。

次章では、また違った現場である「飲食業の店長たち」に目を向けていきます。

第3章|飲食業の店長たち

飲食店の店長は、“現場での瞬時の判断”が求められる仕事です。

ピークタイムの混雑、オーダーミス、アルバイトの欠勤、食材不足…
これらをすべて飲み込みながら、「お客様満足」と「スタッフの安全」を守る存在が、飲食店の店長です。

また、原価率や人件費がダイレクトに利益に影響するため、売上だけでなく“コスト設計”も現場で担う必要があります。

ファストフード型|マクドナルド・すき家・松屋など

  • 特徴:高速オペレーションが命。教育と人員配置が鍵
  • 求められる力:ピーク対応力、トラブル判断、短時間バイト育成

カフェ・ファミレス型|スタバ・ドトール・ガストなど

  • 特徴:接客・空間演出・サービス体験がブランド価値を左右
  • 求められる力:接遇力、顧客目線の店づくり、雰囲気設計

居酒屋・夜営業型|鳥貴族・和民・個人居酒屋など

  • 特徴:夜間帯の運営、若手スタッフの多さ、事故防止の管理
  • 求められる力:店舗全体の空気感づくり、酔客対応、衛生管理、スタッフ育成

ラーメン・個人飲食型|一風堂・町中華など

  • 特徴:職人型のオーナー店長が多く、現場=自分の延長線
  • 求められる力:味の安定、仕込み管理、接客との両立

飲食の現場では、「回転を回す」だけでなく「空間と感情をマネジメント」する能力が問われます。

店長ひとりの言葉や表情で、お店の空気がまるごと変わる。
それが飲食業の“現場リーダー”のリアルです。

第4章|サービス業の店長たち

サービス業の店長は、いわば「人を介した価値提供のプロ」です。

提供する商品そのものよりも、「接客・体験・継続性」によってお客様の満足度が左右されます。

そのため、人材育成力・モチベート力・関係性づくりが、売上にも直結します。

美容・理容室型|個人サロン・QBハウス・Agu.など

  • 特徴:施術者=売上の主体。店長自身が“現場プレイヤー”であることも多い
  • 求められる力:技術指導、スタッフ育成、リピート顧客の維持

フィットネス・整体型|カーブス・LAVA・リラクなど

  • 特徴:継続率と紹介が売上に直結。会員管理が重要
  • 求められる力:来店促進トーク、目標共有、接客力、技術向上、顧客管理

学習塾・スクール型|明光義塾・Axis・個別塾など

  • 特徴:生徒管理と保護者対応を兼ねる。教務と営業の両立が難しい
  • 求められる力:信頼構築、目標達成支援、講師育成、営業力、調査力

アミューズメント・娯楽施設型|カラオケ・ボウリングなど

  • 特徴:若年層スタッフが多く、人材安定が店舗の安定に直結
  • 求められる力:イベント設計、雰囲気づくり、夜間管理、防犯、スタッフ育成

サービス業の本質は、「人が価値になる」こと。
だからこそ、店長の役割は“人の力を最大化する設計者”です。

現場で働くスタッフのモチベーションが、そのまま売上にも信頼にも変わっていく。
だから店長は、「人を見る目」「人を育てる力」が何より重要になります。

第5章|店長の立場別|経営者型 vs 雇われ型

ここまで、業種別に店長の種類を見てきましたが、もう一つ大きな違いがあります。

それは、「その店を所有しているのか」「任されているのか」という立場の違いです。

雇われ店長(正社員型)

  • 特徴:企業に雇われた社員として、店舗運営を担う
  • 責任範囲:売上・人件費・シフト・顧客対応など幅広いが、最終的な損失責任は本部
  • ポイント:指示通りに動くだけでなく、「現場の声を吸い上げ、形にする力」が評価される

フランチャイズ店長(オーナー兼経営者)

  • 特徴:ブランドを借りながら、自らの資金で経営を行う立場
  • 責任範囲:人材確保から販促・経費管理まで、完全自己責任
  • ポイント:自由度が高い反面、孤独な判断が続く。経営と現場の両立が求められる

独立オーナー店長(完全経営者型)

  • 特徴:自ら開業し、理念や想いをカタチにする店を経営
  • 責任範囲:収支も未来もすべて自己責任。全決定権を持つ
  • ポイント:店舗=自分の人生そのもの。理念がぶれないほど、お客様が共鳴する

店長という言葉にひとくくりにされがちですが、「雇用か経営か」で、責任の質も、未来の描き方も大きく異なります。

どちらが優れているという話ではなく、自分に合った“店長の在り方”を選ぶことが、幸せな店舗運営の第一歩です。

第6章|“店長”という役割の本質

お店がある意味は、これからますます問われる

ネット販売額は年々増加し、テクノロジーの進化もますます加速しています。

メタバースやAI接客、無人レジの普及──これまで“現場でしかできなかったこと”が、どんどんシステムに置き換えられていきます。

それでも私は思います。

お店という「リアルな空間」がなくなることは、きっとありません。

ただし──「お店に行く理由」は、年々厳しく問われていくでしょう。

便利な時代に、なぜ人は店舗を訪れるのか?
そこにいる“人”に、どんな価値を感じるのか?

その答えを創り出すのが、これからの店長の仕事です。

ここまで多様な店長像を見てきましたが、最後に伝えたいのは、「どの店長にも共通する本質」です。

それは、“人”と“数字”と“現場”をつなぎ、価値を生む存在であること。

店舗には売上があります。
数字の奥にはお客様がいて、そこに関わるスタッフがいて、仕組みと感情が交差しています。

店長とは、そのすべてのハブ(要)となって、現場を動かし、現場を育てる人。
一店舗の経営を担う、現場の“リーダー”であり“経営者”でもあるのです。

店長に共通する6つの力

本ブログでは、すべての店長に共通する力を「6つの力」として体系化しています。

  • 導く力:スタッフを巻き込み、チームをリードする力
  • 育てる力:人を見て、信じて、成長を支援する力
  • 変わる力:売場やチーム、自分自身を進化させる力
  • 知る力:数字や社会情勢、顧客の声を解釈し、判断に活かす力
  • 防ぐ力:トラブルや退職、事故を未然に防ぐ力
  • 心の力:お客様の心を動かし、感動と信頼を生み出す力、自身のメンタルケア

すべての店長に共通する“存在の前提”

店長の形はさまざまでも、すべての店に共通する“前提”があります。

  • お客様が来なければ、店は存在できない。
  • スタッフがいなければ、店は回らない。
  • お取引様がいなければ、商品もサービスも届かない。

だから店長は、“誰かに支えられて、初めて存在できる仕事”なのです。

その感謝を忘れずに、今日も現場に立ち、未来をつくっていく。
それこそが──どんな業種、どんな立場の店長にも通じる、たったひとつの本質ではないでしょうか。

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