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”現役店長育成講師”が伝授|店長の魅力を高める「6つの力」

「リーダーシップ」「人材育成」など店長職に関連する、日々の仕事に必要な力を6つに分類しました。
あなたの店長力を伸ばしたいとき、気になる力からぜひご覧ください。

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店舗の採用戦略完全ガイド|シニア・高校生・外国人・スキマの活かし方

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【最新記事の目次】

店舗の採用戦略完全ガイド|人材不足時代を乗り切る5つの活かし方

こんにちは!森友ゆうきです。

この記事は、以前公開した「⑤パート採用を制する者が全てを制する|森友流シフト理論【戦力確保編】の続編として、
より実践的に「人が足りない店舗が、どう人材を確保・活用するか」を深掘りした1本の長編です。

あなたの店舗、あなたの周りの店舗の人材不足解消のヒントになれば幸いです。

第1章|人材不足の現状と店長の悩み

「求人を出しても応募が来ない…」
「せっかく採用しても、すぐ辞めてしまう…」
「曜日や時間の条件がバラバラで、シフトが埋まらない…」

今、多くの店長が「人が足りない」という大きな壁に直面しています。

しかも、それは単なる“人数の問題”ではありません。

  • 学生はテスト期間や行事で変動が激しい
  • 主婦層は家族都合で突発的な欠勤もありうる
  • 週末や夕方といった“人気のない時間帯”に人を集めづらい

どんなに売場を整えても、人がいなければ売上はつくれません。

「誰を、いつ、どこに、どう配置するか」——それは、もはや店舗運営そのものの根幹です。

今は「1つの層」ではまわらない時代

以前であれば、補充は大学生の学生アルバイトを軸に組めていた時代もありました。

しかし、今はそれだけではシフトは組めません。

必要なのは、複数の人材タイプを“組み合わせて設計する”という発想です。

この長編でお伝えする5つの戦略

  1. シニア採用|安定した出勤と、丁寧な仕事ぶりを武器に
  2. 高校生採用|週末と夕方を支えるフレッシュな戦力
  3. 外国人採用|即戦力として活躍し、接客にも可能性あり
  4. スキマバイト活用|曜日・時間の“隙間”を埋める柔軟さ
  5. 掛け持ちスタッフの活用|Wワーカーの力をどう活かすか

単なる採用術ではなく、「どんな人を、どんなふうに活かすか」にフォーカスしてお届けします。

第2章|シニア採用|経験と安定を戦力に

少子高齢化が進む中、「シニア層を戦力として採用する」ことは、今や特別なことではありません。

むしろ、週3日・午前中だけでも確実に働ける人を求めるなら、シニア層は非常に頼もしい存在です。

シニア採用の3つのメリット

  1. 出勤率が高い:責任感があり、無断欠勤や遅刻が少ない
  2. 作業が丁寧:在庫整理・清掃・品出しなどに向いている
  3. 接客に安心感がある:人生経験が豊富で、落ち着いた対応ができる

こんな仕事に向いている

  • 開店前の品出し・清掃作業
  • 午前中のバックヤード業務(整理・検品など)
  • 混雑時を外した日中の売場補助

店長として気をつけたいこと

  • 説明を丁寧に、繰り返し伝える:覚え方のスピードに配慮
  • 健康面の変化に気を配る:無理をさせず相談しやすい関係づくりを
  • 「褒める」と「認める」のバランス:やる気の継続には承認が不可欠

現場リアル実例|私がエリアマネージャー時代の採用判断

私がエリアマネージャーとして奈良の店舗を担当していたときのことです。

当時、75歳の男性が面接に来られました。見た目からして「売りそうな雰囲気」が漂っていて、履歴書を見ると——

紳士服販売歴40年の大ベテラン。

ただし、その方はパソコンが使えませんでした。

店長は不安そうにしていましたが、私はこう伝えました。

「パソコン業務は事務パートさんができます。売場に立ってくれるだけで十分です。責任は私が持ちます」

結果、このスタッフの客単価は他の販売員の1.7倍。お客様の信頼を自然に集める、まさに“現場の宝”となりました。

もう一つの成功例|早朝専門の68歳スタッフ

また別の店舗では、朝7時〜10時の入荷処理要員として68歳の男性を採用。

本人の口ぐせはこうでした。

「朝から身体を動かして、お金がもらえるなんて最高です!」

このように、時間帯と本人の価値観が合えば、シニア層は大きな力になります。

“職人気質”を活かす配置と接し方がカギ

高齢者採用は、短時間×継続という戦力づくりに効果的。

「戦力にならないのでは…」という不安を持つよりも、
“活かす設計”をするのが店長の役割です。


第3章|高校生採用|夕方と週末を支える“未来戦力”

店舗運営において、夕方〜夜の時間帯夏休みなどの長期休暇は、主婦層の出勤が難しくなる時間です。

そんな時に、頼りになるのが高校生バイトです。

高校生採用の強み

  • 放課後の17〜20時など、他のパートが出られない時間を埋められる
  • 夏休みや冬休みなど、繁忙期に多めの出勤が可能
  • 吸収力があり、育てることで一気に戦力化できる

採用時に必ず伝えたい「テスト期間」のこと

高校生バイトのリスクの1つが、突然の欠勤です。

実際には「テスト勉強に集中したい」「成績が落ちたので親から止められた」などの理由が多く、採用時点で伝えておくことが重要です。

「テスト期間の前後は、あらかじめ休み希望を出してもらえばOK。
ただ、何も言わずに直前で休まれると、店の業務が困ってしまう。
だから、計画的に協力してくれたらうれしいな」

初期教育がすべてを決める

  • レジや更衣室で「人やお店のお金」に手を出してはいけない
  • お客様のポイントを自分につけるのは不正
  • 暴言・暴力は一発アウト

これらは「学校では教わらない」内容です。

店長が“優しさと厳しさの両方”で伝えることが大切です。

女性高校生には「送迎」や「安全面」に配慮を

女性の場合、帰宅時間が遅くなる日は、面接で必ず「保護者の送迎があるか」確認しましょう。

「夜のシフトに入れてもらうときは、親が車で迎えに来てくれるか確認してね」
そんなひと言を添えるだけで、“このお店はちゃんと見てくれてる”という信頼が生まれます。

未来戦力は“育てる設計”がカギ

高校生は、「今の戦力」ではなく「未来の主力候補」。

信頼して任せる姿勢 × 初期教育の丁寧さ
この2つで、高校生採用はお店の“第2の柱”になります。

第4章|外国人採用|偏見を捨て、力を活かす店舗づくり

いまや外国人スタッフは、飲食・小売・コンビニ業界では“当たり前”の存在になっています。

特にコンビニでは、留学生アルバイトや技能実習生が戦力の中心になっている店舗も多くあります。

私たちがユーザーとしてお店を利用しても、「対応に問題がある」と感じた外国人スタッフはほとんどいません。

つまり、働く側の姿勢や能力は十分に高く、あとは店側の“受け入れる体制”の問題なのです。

店長が偏見を捨てることが、すべてのスタート

「言葉が通じにくいのでは?」「文化が違うから不安…」

そう感じてしまうことは、決して悪いことではありません。

ただし、その感情のまま採用を避けることは、大きな損失です。

実際には、多くの外国人スタッフが:

  • 真面目で
  • 指示に素直で
  • ミスを減らそうと努力してくれる

偏見を乗り越える第一歩は、店長が先に信頼を示すことです。

採用時に必須|在留資格と就労可否の確認

外国人を採用する際には、必ず「在留カード」の提示を求め、就労可能な資格であるかを確認します。

  • 週28時間以内の制限(留学生)
  • 22時以降の勤務制限
  • 在留カードの期限・資格・資格外活動許可の有無

異文化理解が店舗を変える

  • 曖昧な表現ではなく、具体的な行動指示
  • 写真・ジェスチャーなど非言語の伝達
  • 期待を込めた声かけが効果的

あなたの偏見を乗り越えた先に、最高の即戦力がいる

大切なのは、「違いを受け入れる覚悟」と「教える工夫」です。


第5章|スキマバイト活用|“短時間・単発”を戦力にする

ここ数年、急速に広がっているのが「スキマバイト」という働き方。

面接なし・登録だけで働けるマッチング型のバイトサービスは、急な欠員や特定作業だけの人手確保に非常に役立ちます。

タイミー、シェアフル、ショットワークスなどが有名ですね。

スキマバイトの強み

  • 即日で人が来る
  • 単発・短時間での募集が可能
  • 複数職場経験者も多い

店長の戦略例|早朝“荷受け1時間だけ”の高単価バイト

朝7時〜8時の荷受け作業に特化し、時給1,500〜2,000円で募集。

どんな過疎地でも人が集まる。作業も明確で教える手間が少ないので多数の応募が集まるでしょう。

単発バイト注意点

  • 教育が必要な業務には不向き
  • 切り出し可能な作業に絞る
  • 犯罪者(物取り)が紛れる可能性も

成功例

  • 年末年始のラッピング作業に3時間バイト → ミスゼロ
  • 週2回の荷受けバイト → パートの負担減

と上げればキリがないほど重宝できます。

単発時間の穴埋めで入れて、よければ長時間に変えるのも有りです。その場合は、通常時給に戻すことは伝えます。

“補強のための設計”がカギ

スキマバイトは「戦術的活用」。
戦略=育成、戦術=補強として分けて考えることで、店舗運営が一段とラクになります。

第6章|掛け持ちスタッフ活用|“不定期でも強力な即戦力”

近年、個人で事業を営みながら、空いた時間に働きたいという“掛け持ち人材”が増えています。

特に店舗の求人に応募してくるのは、何らかの専門スキルや豊富な経験を持つプロフェッショナルたちです。

プロが応募してくる時代

私が実際に採用した中でも、宇都宮店の店長だったときに印象的だった方が2名います。

1人目:倉庫作業歴20年のプロが「週に数回だけ」働きたいと応募

即採用し、もちろん後方作業に配属。

プロから見たら、我々の後方作業は素人集団です。

物の積み方、運び方、整理整頓のコツをスタッフに自然に伝えてくれました。

結果、バックヤードは見違えるほどスムーズに。

単なる労働力ではなく、“教える人”としても現場に革命をもたらしました。

2人目:板金工(個人事業主)からの応募

またある日、40代後半の車の板金工を営む個人事業主が面接に来ました。

「空いてるときにだけ働きたい。でもいつ空くか読めない」と悩んでいたのです。

理由はシンプル——事故が起きなければ仕事が来ない

いつ入れるかわからないというのでは計画が立ちません。部下が面接していたなら、即不採用にしていただろうなと思います。

運用の工夫|“店長直轄”の特別枠をつくる

そこで私は、シフトに入れず、店長である私と直接連絡を取り合う仕組みにしました。

  • 「前日、または当日朝に連絡をもらう」
  • 「空いているときだけ来てもらう」

本人もこの仕組みに安心し、「自分の都合で無理なく働けるのがありがたい」と言ってくれました。

後日、お店の社有車に気付かぬうちに、バンパー横に擦り傷出来て凹んでいました。本来なら、いつどのタイミングで誰が傷つけたのか犯人探しと現場検証をするのが通例ですが、これも直してもらったのは会社には内緒です(笑)

掛け持ち人材は“即戦力”だが“固定力”ではない

掛け持ちスタッフは、即戦力です。

しかし、毎週固定で出勤してもらうことは難しい

だからこそ、通常のパート・アルバイトとは別の運用設計が必要です。

”発想の柔軟性”がカギ

掛け持ち人材を活かすには、「無理に管理しようとしない」柔軟性が必要です。

彼らは、仕事を通じて自分の生活を調整している人たち

店長がそのスタンスを理解し、共存する関係を築ければ、
現場に想像以上の力が加わることになります。

第7章|人材設計のまとめ|組み合わせでつくる最適チーム

ここまで、シニア層・高校生・外国人・スキマバイト・掛け持ちスタッフという5タイプの人材について、それぞれの特徴と活かし方を見てきました。

では、店長はこれらをどう組み合わせ、戦力として設計するべきか?

人材タイプ別マトリクスで整理してみよう

人材タイプ即戦力か?固定勤務か?長期定着期待店長の設計ポイント
シニア層安定したルーチンに強い
高校生△(放課後)初期教育+週末戦力化
外国人△(制限あり)ビザ確認+文化理解
スキマバイト××切り出せる業務に特化
掛け持ちスタッフ×店長直轄運用・即応任務

「育てる」と「補う」を分けて設計する

この表から読み取れるのは、“育てる人材”と“補う人材”を混在させてはいけないということです。

  • 高校生やシニア層は、時間をかけて育てていく「固定型」
  • スキマや掛け持ちは、即戦力で短時間を補う「流動型」

組み合わせの妙が、店舗運営の強さを決めます。

人材を“資産”として設計する:マックの例

人材は一度辞めたら終わりではありません。

たとえばマクドナルドでは、スタッフの過去の勤務データを残し、
数年後に別の店舗に応募しても、その履歴から即採用になる仕組みがあります。

「あなた、12年前に川口駅前店でスイングマネジャーされてましたね!」
そんなやりとりが実際にあるのです。

これもひとつの「設計力」。
一度縁があった人を“資産”として活かす仕組みを持てるか?
それが、これからの店舗運営のカギになります。

人材を見極めることも大事ですが、それ以上に大切なのは、

「この人を、どう活かすか」を考えることです。

採用は「目利き」ではなく、「この人材をどのように活かせるか?」だ

人が集まらない、シフトが埋まらない。
そんな店舗課題に、現場の店長たちは毎日のように頭を悩ませています。

でも、それは「いい人がいないから」ではないかもしれません。

どんな人材にも、強みがあります。

大切なのは、「誰を採るか」ではなく、
「どう組み合わせて、どう活かすか」を店長が設計すること。

この長編でお伝えしたこと

  • シニア層の安定感と職人気質
  • 高校生の成長力と夕方戦力化
  • 外国人の真面目さと多様性
  • スキマバイトの柔軟性と即応力
  • 掛け持ちスタッフの経験と不定期即戦力

そして、店長が意識すべきは、
「戦略(育成型)」と「戦術(補強型)」の両輪で人材設計することです。

“完璧な人材”はいない。でも“機能する組織”はつくれる

誰かが急に辞めるかもしれない。
急な欠勤が出るかもしれない。

それでも、店は止まってはいけない。

だからこそ、1人で回す店ではなく、
誰かが抜けても回るチームを設計すること。

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人材採用において、よく議論になるテーマがあります。
それが、“量をとるか、質をとるか”という問いです。

私の答えはシンプルです。
「まずは“量”をとって、“質”に育てる」。これが現場のリアルです。

【2025年版】完璧な人材なんて来ない|店長が選ぶべき“採って育てる”採用論”

最後に|店長の「人を活かす”構想力”」が店舗の未来をつくる

採用とは、人を見抜く“目”ではなく、
人を活かす“構想力”です。

あなたのお店には、まだ見ぬ即戦力が眠っています。
その力を引き出せるのは、他でもない、あなたです。

そして、これから採用に挑むすべての店長に——
「この人を、どう活かそうか?」という問いを常に持ち続けてほしい。

それが、あなた自身の成長にもつながる“店舗マネジメント力”の真髄だからです。

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