こんばんわ!森友です。
今日は売上対策についての記事です。
私は大手小売業で店長やエリアマネジャーを10年経験し、前職も合わせると20年間店舗運営に関わっています。
店舗に入店した瞬間で気付く売上の好調理由、減少理由があります。数字も見ないで、何がわかるの?と言われそうですが「経験」から来る再現的な事象で何が足りなくて売れてないのか、どうしたら即時数字が変わるのかまで観察出来てしまいます。
売上不振の原因は内的要因と外的要因に分かれます。
売れない店舗の内的要因は大きく分けて3つがあります。
- 商品があるか
- 商品が買いやすいか
- スタッフの感じが良いか
また、外的要因もまとめると以下の3つの要因があります。
- 市場の変化
- 競合店、自社競合店の影響
- 立地条件の変化
外的要因を入れると広くなるため、今日は内的要因に絞ってお届けします。
店長は売上不振の原因をチェックして対策を立てよう!
売上高構造を知る
売上を上げたい人は、まず以下の図を完全に理解する必要があります(画像引用先)
売上の公式は色々ありますが、小売業はこの公式が良いと思います。
まず、売上高はレジ客数(買上客数)と客単価に分かれます。レジ客数とは、その通りレジを通ったお客様の数です。
そして、そのお客様の単価(客単価)を掛ければ売上になります。
- 客単価=買上点数×一品単価(購入商品一品あたりの平均単価)
- レジ客数=来店客数×成約率(何かを買われたお客様の比率)
売上が下がったという話をする時には、客単価が下がったのか?レジ客数が下がったのか?を先に把握する必要があります。
レジ客数は下がってなく、客単価が下がったのであればそんなに問題はないかと思いますが、両方下がったのであれば問題です。
特に客数関連が下がると客単価で上げるのはだんだん困難になっていきます。
お客様が来なくなると存在が出来なくなりますので「客数」が人気のバロメーターです。店長は客数を下げない対策や客離れする要因をいち早く掴む必要があります。
原因が外的なのか、内的なのか?
客離れが内的要因なのであれば、大きな問題です。
もう少し細かくいえば、レジ客数は来店客数と成約率に分けられます。来店客数を増やすための対策はチラシ、売価、キャンペーンなどが思い浮かぶかも知れませんが、この一時的な対策を繰り返せば数年後に限界点に達するのは明白です。
ポイント10倍キャンペーンとか巷でやっていますが、こんなもので来店を増やそうとするのはどうかしてます。
始めは有難いのですが、これに直ぐに慣れるとポイント2倍ごときではお客様も動かなくなります。10倍の日が頻繁にあるのであれば、普通の思考の人であれば10倍の日にしか買いませんよね?
キャンペーンは結果として経営を圧迫する麻薬のようなものだと思います。そこに頼るのではなく、長い目でみて売価を安くし、エブリデイ・ロープライスで勝負しましょう。
今日の目玉商品なんかも不要だということです。基本的に、いつでも安いことが信頼に繋がります。
これは会社の方針が大きな鍵を握りますので、店長で口出しできない領域なのであれば、接客力や品ぞろえ、売場状態での勝負です。
商品があるか?
小売業で大事なことは、お客にとって、そもそも欲しい商品があるか?ということです。
品切れであったり、死に筋商品で棚が埋まっていたり‥‥当然ですがお客様は商品を買いに来ています。どんなのがあるかな~と遊びに来ることもありますが、何らかの目的があって来店されるのが普通です。
その際に主通路(客導線)からみて、魅力的な商品が主通路寄りに無ければワクワクしません。
エンドや主通路沿いの魅力ある商品の印象がその店の印象を決めるといっても過言ではありません。売れない店は、この演出が下手です。
そして、在庫切れした場合の代替え商品への移行が遅く、スカスカの状態で営業していたりします。これでは客単価も成約率も来店客数も数カ月でみるみる下がります。
商品が買いやすいか?
- 買い物カゴがあるか?
- シッピングカートは目立つ位置にあるか?
- 在庫は取り出しやすいか?
- プライスは見やすい位置にあるか?
- 類似商品は近くにあり、比較しやすいか?
- レイアウトは熟慮され尽しているか?
- 機能POPは完全添付されているか?
- 商品のフェイス(向き)は最適な向きになってるか?
などです。業種によって、分類によってまだまだあります。この選択基準が多ければ多いほど、顧客視点での売場管理が出来てる証拠です。
購買動機として「目的買い」と「衝動買い」があることはご存知だと思います。
このどちらに向けた配置なのか?は顧客視点を店長が持って働いているかが大切な要素です。
店長は常に「買いやすいかな・・」「本当に買いやすいかな・・」と販売者視点ではない顧客視点でお店を見てください。
売上高構造で指したように、客数が下がれば私たちは存在できないのですから・・
今日いるスタッフの感じが良いか?
これは「感じの良いスタッフが在籍している」ではダメで、今日いるスタッフはどうか?です。
- 笑顔があるか?
- 明るく元気か?
- 質問を受けやすい雰囲気があるか?
- お客様に呼ばれた際の反応は早いか?
- 売りたい商品の押し売りでないか?
- お客様への要望の聞き出しが出来ているか?
- キビキビ動いているか?
とても重要な要素です。ネットで何でも買える今、わざわざ感じの悪いスタッフがいる店で買い物する必要がありません。
今は、Amazonで数秒で買えますから数年前に比べて、接客力向上の対策が遅れている店・会社は数字が大きく下がっていると思われます。
まとめ
お店で店長が「売上!売上!」と悪戦苦闘しているうちは、まだ良いのかも知れません。
これも毎年10%以上下がってくると、落ち込むだけで対策する気力も下がってきます。その対策も起死回生のキャンペーンを打つことであれば、その年は良くとも来年になれば、前年比低下として跳ね返ります。
私たちはお客様に愛され、また来たいと思って頂ける店舗運営を続けるしか生き残る方法はないのです。
先ほども触れましたが、ネット社会はますます進行します。数年以内にAIやロボットに私たちの仕事の多くはとって変わられるかも知れません。
ですが、今のところリアル店舗が無くなることはありません。
売上不振の原因はどこにあるのか?
その原因は、客単価の低下なのか、レジ客数の低下なのか?
来店客数なのか、成約率なのか?
店長は原因を具体的にブレイクダウンし、キャンペーンなどの秘策に出るのではなく正しい対策を取るようにしてください。
今日も最後まで見て頂きありがとうございます(^o^)丿