【最新記事の目次】
「動かす」助言とは何か?|店舗現場を支える“社内コンサル”という視点
こんにちは!森友ゆうきです。
「助言したのに、現場が動かない…」
そんな悩みを抱えるエリアマネージャーやゾーンマネジャーの方は多いのではないでしょうか。
でもその助言、「正しいかどうか」ではなく「動くかどうか」で評価したことはありますか?
実は今、現場のマネジャーに求められているのは、“社内コンサル”としての視点です。
- 状況を観察し、必要な変化を提案し、
- 自ら動かずに、現場が動くよう仕掛ける。
これは外部コンサルがクライアントに向けて行う支援の技術と、非常に近い構造を持っています。
本記事では、現場を“動かす”ために必要な「社内コンサル術」を、エリアマネジャー・ゾーンマネジャー向けに解説します。
第1章|マネジャーは“指示者”ではなく“助言者”である
以前のように「こうして」「ああして」とトップダウンで動かすマネジメントは、今の現場では通用しません。
なぜなら、店長たちも一人ひとりが「現場の経営者」だからです。
そんな相手に必要なのは、指示ではなく「意味のある助言」。
そしてその助言が“動くかどうか”は、以下の3つに左右されます:
- タイミング:今、相手が受け取れる状況か?
- 視点の高さ:気づいていない構造を示せているか?
- 共創感:一緒に考えてくれていると感じてもらえているか?
これらはすべて、外部コンサルが企業に対して実践している内容でもあります。
社内であっても、「信頼 × 問い × 提案」のスキルは同じ。
あなたが店長にとっての“社内コンサル”になることで、現場はもっと自走するようになります。
第2章|なぜ「指示」ではなく「問い」が有効か?
「●●してください」という指示は一見シンプルで明快ですが、受け手の思考は止まりやすくなります。
対して、「どうすればいいと思いますか?」という“問い”は、相手の思考を動かし、自発的な行動を引き出す力を持っています。
これは、外部コンサルが企業支援で最も重視するスタンスの1つ。
「答えを与えず、問いで導く」
たとえば、次のように助言を変えてみましょう:
- 「この棚、乱れてるね」→「お客様にとって“買いやすい棚”って、どんな形だと思う?」
- 「スタッフに声かけして」→「どんな言葉なら、動きやすいと思う?」
問いを通じて、店長が“考える主体”に変わったとき、初めて現場は変化します。
第3章|数字と感情、両面で“現場を読む”
多くの支援者が「数字」だけに頼りすぎ、「空気」や「感情」を見落とします。
たとえば、売上が下がっているとき:
- 数字の支援者:前年比を見せ、「この落ち込みはマズイ」と言う
- 空気の支援者:「最近、スタッフ元気ないね。何かあった?」と聞く
どちらも重要で、数字=論理の地図、感情=行動の温度です。
外部コンサルも、「数字に強いだけの人」は成果を出せません。現場に寄り添い、声なき声を拾う“感受性”が求められます。
エリア・ゾーンマネジャーも同様に、「数字と空気」どちらにも敏感な存在であることが、支援力の土台になります。
第4章|NG助言:マニュアル押し付け型になっていないか
支援に失敗するケースで最も多いのが、「こうしなさい」と答えを渡して終わるスタイルです。
これは店長を“考えない人”にしてしまう危険性があり、短期的には楽でも長期的には自走力を奪います。
また、「自分で考えた答え」こそ、店長が動く最大の原動力です。
「言われたからやる」ではなく、
「自分で決めたからやる」状態を目指す
そのために必要なのが、次章で紹介する「森友流・助言3ステップ」です。
第5章|森友流:助言を“行動”に変える3ステップ
私はこれまで数百人の店長と関わってきた中で、助言→行動への変換を以下の3ステップに整理しています。
- 問いかける(状況を聞く、考えさせる)
- 共に考える(仮説を提示、共感で伴走)
- 最後に選ばせる(実行案の主導権を渡す)
この手順が無いと、店長は「やらされ感」を抱いてしまいます。
順番を守ることで、店長の中に“納得”と“決意”が育ちます。
まさにこれは、外部コンサルが契約先に施す「行動設計そのもの」。
社内支援であっても、マネジメントは“設計”であり“強制”ではないという視点が重要です。
まとめ|「社内コンサル」としての意識が現場を変える
あなたが何者として支援しているか?
そのスタンスの違いが、店長の受け取り方を大きく左右します。
「上司」ではなく「助言者」
「指示者」ではなく「社内コンサル」
この意識の転換が、現場を“動かす”支援の第一歩です。
もしあなたが、店長たちに
「言われてよかった」「気づきがあった」
と言われる存在になれたなら──
あなたはもう、立派な“現場支援のプロフェッショナル”です。
その先にあるのは、「現場の自走」と「店長の成長」──そして、チームの未来です。