【最新記事の目次】
パート採用を制する者が全てを制する【戦力確保・完結編】
第1章|応募が来ないのは「募集設計」で負けているから
「最近、ぜんぜん応募が来ない…」
そう悩んでいる店長は多いと思います。
でも、それは“運”でも“景気”でもありません。
設計で負けているのです。
あなたの募集条件、競合と比べてどうですか?
- 時給はいくらか?(他業種も含めパート応募に対する競合に負けてないか)
- どんなシフト条件か?(自店が週3日から募集で、他社が週1~2日からになってないか)
- キャッチコピーは刺さるか?(未経験者歓迎なんてどこでも書いてある)
「自分ならこの店を選ぶか?」という目線で見直してください。
第2章|媒体の小出し掲載は逆効果。一発勝負で攻めろ!
毎月ちょこちょこ出していても、「ずっと人が足りない店」という印象を与えます。
特にアルバイト・パートを探している人の多くは、「安心して働ける場所かどうか」を重視しています。
ずっと募集している店=人が辞める店というマイナスイメージに直結してしまうのです。
また、掲載を小さく何度も繰り返すよりも、一度にしっかり面積と内容に投資した方が成果が出やすいというデータもあります。
自店の魅力を伝える写真、店長コメント、「今だけ」の限定感。これらを盛り込んだ一発勝負の方が、応募者の心に刺さります。
「目に入るか」「印象に残るか」が勝負。募集も設計と戦略次第です。
「自分ならこの店を選ぶか?」という目線で見直してください(2度目)
第3章|“応募の動線”は複数用意できているか?
求人媒体に載せただけで「応募が来るはず」と思っていませんか?
実は、“気になったらすぐ応募できる”環境を整えることが重要なのです。
店頭に掲示するポスター、チラシ、そしてその中に「QRコードで簡単応募」の導線をつける。
特に高齢層や主婦層は、スマホから検索して探すよりも、その場で目に入った情報の方が行動に移しやすい傾向があります。
また、スタッフにも「知り合いに声かけてみてね」と協力を依頼するのも効果的です。
現場からの自発的な協力が、意外な“リファラル採用”につながることもあります。
第4章|“この店で働きたい”と思わせる空気づくり
応募者は、意外としっかり店舗を見ています。
買い物に来た時に、レジでピリピリしていたら?スタッフの表情が暗かったら?
「ここはやめておこう」となるのは自然な反応です。
反対に、笑顔のスタッフ・明るい声かけ・整理整頓された売場があると、それだけで「ここなら働けそう」と思わせられます。
現場の空気が採用力を決める。これは採用における最大の“無言の営業”です。
第5章|短期バイトの波を捉えろ!
特に長期休暇シーズンは、短期バイトを戦力として活用する絶好のチャンス。
春休み、夏休み、冬休みは、主婦層が家庭都合で出られないことが多いため、学生・地元帰省の若者を取り込む視点が必要です。
そして、一度来てくれた短期バイトに対して「また来年もお願いできるかな?」と打診しておく。
さらにその名前を「引き継ぎファイル」として店長間で共有できれば、人材の“蓄積と再活用”が可能になります。
補足|それでも集まらないときは「タイミー」という選択肢
ここまで設計しても、どうしても人が集まらない…
そんな時は、「タイミー」などスポットマッチングの仕組みを使うのも一つの方法です。
費用はかかりますが、「回らない」ことで発生するクレームやスタッフ負担を考えれば、
店を守る“最後の打ち手”として準備しておく価値があります。
第6章|面接は“その場で口説く”戦場である
面接に来てくれた応募者に、「後日連絡します」とだけ言って帰してしまっていませんか?
その瞬間、次の面接先を探しているかもしれません。
「この人、いいな」と思ったら、その場で採用を伝える。
握手して、「君の力が今、必要なんだ」としっかり伝える。
感情のある言葉こそが、応募者の気持ちを動かします。
だからこそ、店長自らが面接するべきなのです。
まとめ|採用は戦略。募集段階で勝負は決まっている
採用で悩むということは、すでに設計の段階で勝負が決まっているということ。
条件・キャッチコピー・動線・空気・短期戦略・面接対応。
そのすべてに戦略がある人は、結果を出します。
「採用を制する店長」は、必ず現場を制します。
あとがき|店長の手で、現場は変えられる
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
この「森友流シフト理論」は、
どれも私自身が店長として悩み、工夫し、そして仲間とともに乗り越えてきた経験から生まれたものです。
売上、配置、人材、採用、感情。
店舗シフトに関わるすべての要素が、店長の決断ひとつで変わっていく。
誰よりも現場を知るのは、店長。
だからこそ、店長の手で、現場はもっと良くなる。
私の願いはひとつです。
店長を、孤独にしない。
このシリーズが、あなたのそばで
「一緒に考えてくれる誰か」のような存在になれたなら、これほど嬉しいことはありません。
これからも、あなたの現場に寄り添える言葉を届けていきます。
読んでくださったあなたに、心からの敬意と感謝を。
森友ゆうき
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第1作|店舗シフトを制する者がすべてを制する
シフト設計の本質は「誰を・いつ・どこに」配置するか。
シフトの考え方を根本から変えたい人におすすめです。
第2作|朝を制する者がすべてを制する
開店前の1時間は、営業中の2〜3時間分に相当する“ゴールデンタイム”。
朝の活かし方ひとつで、作業効率と印象が大きく変わります。
第3作|ピークタイムを制する者がすべてを制する
週末や混雑時間に“誰を置くか”で売上も空気も変わる。
人の厚みとタイミングを設計する方法を学べます。
第4作|人時売上高を制する者がすべてを制する
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数字で現場を見る“設計型店長”への第一歩に。