【最新記事の目次】
③ピークタイムを制する者が全てを制する【ピーク配置計画編】
第1章|ピークタイムとは?いつのこと?
あなたのお店のピークはいつですか?
こんにちは!森友ゆうきです。
シフト理論シリーズ3作目はピークタイムの考え方(人員配置)です。
平日は5日、週末は2日。それなのに──
平日5日分の売上と、週末2日分の売上が同じだったとしたら?
なのに、週末と平日のスタッフ人数がほぼ同じだったら?
回るわけがありません。
つまり、店長が考えるべきピークとは、「この2日間を、どう戦うか」なのです。
誰を週末に配置するか? 何時に、どの戦力を当てるか?
週末の人員配置こそ、売上設計の根幹です。
さらに重要なのは、曜日別・時間帯別の売上構成比を把握しているかどうかです。
「なんとなく週末が忙しい」「昼が混む気がする」ではなく、
- 日曜の売上は全体の何%か?
- 12〜14時の売上は1日の中で何%を占めるのか?
この“売上の地図”を持って初めて、配置に戦略が生まれます。
数字を見て配置を決めている店と、感覚で組んでいる店とでは、結果が違って当然です。
第2章|ピークタイムを読み切れているか?
「ピークは何時か?」を正確に答えられる店長は、意外と少ないかもしれない。
それは体感であり、数字に基づいていない場合が多いからだ。
ピークと言っているのは、レジを通過したタイミングを指しているのか、接客が必要な時間帯を指しているのか。
体感も必要だが、データでもピークを掴みたい。
その上で、そのレジ通過時間の1時間前くらい(業態による)に最大人数を確保する。
・家具・家電・紳士服・カーテン・アパレルetc
第3章|土日に人を集められない理由と対策
週末は売上が集中する勝負の2日間です。にもかかわらず、
「土日に人が集まらない」という悩みは多くの店長に共通しています。
その理由は明確です。
- 学生はテスト期間・部活・Wワークで出にくい
- 主婦は家族都合や子どもの行事と重なる
- 社員は応援・会議・公休で不在になりやすい
つまり、週末が一番売れるのに、一番人が抜けやすい構造になっているのです。
対策①:契約時点で土日出勤を明記する
採用時に「土日どちらかは出られますか?」と口頭で軽く聞いていませんか?
それでは曖昧すぎます。
雇用契約書に「日曜出勤可能」を明記しておくことが鉄則です。
もちろん、冠婚葬祭など特別な事情があるときは配慮しますが、基本は“契約に準じる”スタンスが大切です。
対策②:前月中旬には仮シフトで打診する
人を集めるには「早めの声かけ」が重要です。
翌月の仮シフトを中旬には提示し、希望を先に吸い上げる。
これだけで「無理な依頼」と「調整の余地」が生まれ、週末が回りやすくなります。
対策③:「短時間戦力」をうまく活用する
「1日フルで出てくれないと…」と思っていませんか?
週末は2時間でも戦力になります。
むしろ「ここだけ出てくれれば助かる」という時間にピンポイントで入れる人こそ、シフト設計の鍵です。
第4章|ピークを守る人材は、採用時点で決まっている
「この人、いい人なんだけど、週末は一切出られないんですよね…」
その時点で、ピークタイムを守る戦力にはなりません。
もちろん、事情がある人すべてを排除しろという話ではありません。
でも、必要な時間帯に出られない人を、戦略ポジションに当てるのは危険です。
採用は“時間で選ぶ”
人柄や経験よりも、「いつ出られるか」が配置設計には直結します。
特に、土日や14時〜17時などのピークタイムに出られる人材は最重要。
この条件に合わなければ、どれだけいい人材でも見送る覚悟が必要です。
契約時に「曖昧にしない」ことが全て
「土日どちらか大丈夫ですか?」ではなく、
「日曜出勤は契約に含めます」と明示する。
それが、後々の運営負担を減らします。
もし、前任店長が曖昧に採用していた場合は、契約更新時に再確認を。
「言っていなかった」ではなく、「書いていなかった」が現場を混乱させます。
第5章|優秀な店長は「人を前もって準備している」
シフト作成の本質は、「人を配置する」ことではありません。
“いつか必要になる人を、前もって準備しておく”ことが店長の仕事です。
たとえば、急な欠勤が出たとき。
すぐに「この人なら代われる」と頭に浮かぶかどうかが、シフト設計力の差です。
ピークに1人が欠けただけで回らない。
そんな状態を放置しているのは、“準備不足”に他なりません。
代替できる人材を意識的に育てる
「この時間帯はAさんしかできない」という属人化は危険です。
あえて、サブで同じ業務に入れる。
あえて、ピークに新人を立たせる。
これが「戦える人材を増やす配置」です。
ピークもオフピークも“個人の忙しさ”が変わらない配置
理想の状態とは、全員が均等に動ける設計です。
一部の戦力にピークの負荷が集中していないか?
偏りが出ているなら、それは“今後崩れる予兆”です。
回っているうちに準備する。
それが、優秀な店長の共通点です。
まとめ|ピークの1時間が、店舗の未来を決める
ピークタイムは、ただの“混雑する時間”ではありません。
売上・評価・店舗の印象——すべてが、ピークタイムの設計で決まります。
週末に人が足りない。
ピークにミスが多い。
バタバタして現場の空気が悪い。
それらの原因は、「設計されていないシフト」にあります。
優秀な店長は、感覚ではなく設計で人を配置する。
誰を、いつ、どの時間帯に置くか。
その一手が、未来の売上とチームを作ります。
まず、今あるシフト表を見直してください。
「この時間帯は、この人でいいのか?」
その問いから、現場の未来が変わりはじめます。
次の記事:高確率で週末の予算達成・未達成を当てる占い師、人時売上高について
「人が足りない」「この人数じゃ、到底無理だよ…」
そんな声が現場であがるとき、店長としてまず見るべき指標があります。
それが、人時売上高です。
人時売上高を意識すると、次の週末も2週間後の祝日も予算達成するか未達に終わるか高確率で当てることができるのです。
森友ゆうき