こんにちは!森友ゆうきです。
「一度つくった仕組みは、守るもの」──
そう信じてきたリーダーにとって、“仕組みを変える”という判断は、時に勇気がいる決断です。
けれど、それを迷わずやってのける企業があります。
それが、世界最大の小売業、ウォルマートです。
【最新記事の目次】
BOPISとは?そしてBOPACへ
ウォルマートは2010年代後半から、BOPIS(Buy Online, Pick Up In Store)=「ネット注文→店舗受取」型の仕組みを積極導入してきました。
その象徴が、ピックアップタワー。
ウォルマートの店内に置かれていたピックアップタワー(2017年)
高さ5メートル以上の大型端末で、店内で自動的に商品を受け取れるという近未来的な仕組みです。
ところが2021年以降、ウォルマートはこのタワーを撤去し、BOPAC(Buy Online, Pick Up At Curb)=「ネット注文→駐車場受け取り」へと舵を切ります。
なぜ“仕組みを壊す”決断ができたのか?
ピックアップタワーは導入にも維持にもコストがかかる上、顧客は「非接触」「即時性」「移動せずに受け取る」ことを求め始めました。
カーブサイドピックアップ(BOPAC)なら、こうしたニーズに応えつつ、既存の駐車場スペースだけで展開可能。
ウォルマートのカーブサイドピックアップ:ライブドアブログより引用
- 車から降りずに受け取れる → 高齢者・子育て世代に◎
- 設備コストが安い → タワー撤去費より低コスト
- スタッフ動線もシンプル → 現場オペレーションが合理化
つまり、「仕組みそのものより、成果を出すことを優先した」のです。
標準化から“進化”へ──チェーンストア理論の応用
チェーンストア理論といえば、「標準化された仕組み」が基本。
でもその標準化も、時代や顧客に合わせて変え続けるものであるべきです。
ウォルマートのように、
- 変える基準が「お客様」
- 現場で回るかどうか
- 全体最適で考える
この思考があるからこそ、「撤去」という痛みを伴う判断もできたのでしょう。
店長が学ぶ“仕組みを変える勇気”
この話は、私たち店長にも通じます。
- 「昔からやってる方法」…それ、今も最適ですか?
- 「毎朝ミーティング」…本当に必要ですか?
- 「新人育成フロー」…現場に合っていますか?
やり方を変えるのは、悪いことじゃありません。
「この仕組み、今のチームに本当に合ってる?」
そう問い直すことが、次の一歩になるかもしれませんね。
まとめ|仕組みは守るものではなく、“進化させるもの”
ウォルマートのBOPISからBOPACへの移行は、単なる設備変更ではなく、
「仕組みを変える判断力」こそが最大の標準化というメッセージでした。
現場も日々変わる。スタッフも、顧客も変わる。
「変える勇気」が、次の成果を引き出す鍵になるはずです。