こんにちは!森友ゆうきです。
「部下のやる気が見えない」
「褒めても反応が薄い」
そんな悩みを持つ店長さんへ。実はそれ、承認が足りないのではなく、順番が間違っているのかもしれません。
今回は、店舗育成の現場で私が最も活用してきた心理学フレーム、マズローの欲求5段階説を使って、
「やる気が出ない部下」にどう育てていくかを解説します。
【最新記事の目次】
マズローの欲求5段階説とは?
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した理論で、人のモチベーションは以下のように5段階の“欲求”として階層的に構成されているとされます。
段階 | 欲求の内容 | 店舗での例 |
---|---|---|
第1段階 生理的欲求 | 食事・睡眠など、生きるための基本的な欲求 | 休憩が取れない、食事がまともに取れない |
第2段階 安全の欲求 | 安心・安定を求める欲求 | 「今日は何時に帰れるか」が分からない、 残業が急に決まる、人間関係の不安 |
第3段階 所属の欲求 | 集団の一員として認められたいという欲求 | チームに馴染めていない、孤立している |
第4段階 承認の欲求 | 認められたい、評価されたいという欲求 | 褒められてもピンとこない、役割が不明確 |
第5段階 自己実現の欲求 | 自分らしく挑戦し、成長したいという欲求 | 後輩指導・目標設定・挑戦意欲など |
部下がやる気を見せないのは、「承認不足」ではない
よくあるのが、「最近の子は褒めても動かない」という声。
でもその部下、そもそも安全の欲求すら満たされていないかもしれません。
- 残業が急に決まる
- シフトが読めず、生活リズムが崩れる
- チームに溶け込めず、発言しづらい
このような状態では、「頑張ってね!」「期待してるよ!」という声かけは、届かないんです。
「やる気を育てる順番」を守る
マズローの理論を育成に活かすには、段階を飛ばさないことが何より重要です。
- まずは生活・シフトを安定させる(生理・安全)
- 次に、チームとのつながりや雑談で“所属”を感じてもらう
- それから、役割を明確にし、承認・フィードバックを与える
- 最終的に、目標設定や成長支援を行う(自己実現)
褒めるよりも、整えることが先
やる気を引き出すには、「褒める」「評価する」より先に、土台を整えることが必要です。
育てる力とは、ただ言葉で励ますことではなく、部下が安心して努力できる場をつくる力。
まとめ|やる気は、満たされた先に育つ
マズローの欲求5段階説は、「人は、今どの段階にいるか?」を見極めるための“育成のレーダー”です。
部下が変わらないとき、成長が止まっているように見えるときこそ、
そのレーダーを働かせてみてください。
褒めるのは、自己実現段階への入り口。
でもそこまでの“道”を整えるのが、育てる力なのです。