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【チェーンストア理論シリーズ 最終回】企業理念こそ最大の標準化|スタバ・IKEAに学ぶ“型”の源泉

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【チェーンストア理論シリーズ 最終回】企業理念こそ最大の標準化|スタバ・IKEAに学ぶ“型”の源泉

こんにちは!森友です。

これまで9本の記事で、チェーンストア理論の本質を
「標準化」「再現性」「作業設計」「価格設計」など、さまざまな視点から掘り下げてきました。

そして最終回となる今回は、あえて“最も目に見えにくいもの”に焦点を当てます。

それは──企業理念です。

「え?理念って、経営層が語るだけのものじゃないの?」
そう思った方ほど、ぜひ読んでほしいテーマです。

マニュアルが整っていても、教育制度があっても、現場の判断がバラバラになる会社があります。
逆に、仕組みはそこまで整っていなくても、スタッフ一人ひとりがブレずに行動できる会社もあります。

その違いを生み出すものこそが、企業理念が“現場で生きているかどうか”という違いです。

今回は、スターバックスやIKEAといったグローバル企業、
そしてユニクロやオリエンタルランドの事例を通して、
チェーン運営における企業理念の力と、その“浸透の仕組み”を紐解いていきます。

第1章|企業理念は“あるだけ”では意味がない ― 全スタッフが「我ごと化」する仕組みが必要

多くの企業が立派な企業理念を掲げています。
けれど、実際にその理念を自分の言葉で語れるスタッフが、どれだけいるでしょうか?

理念は、存在するだけでは意味がありません。
それを“我がこと”として考え、日々の判断や行動に落とし込んでこそ、初めて生きたものになります。

「新入社員研修で一度教えただけ」「朝礼で読み上げて終わり」では、理念は形骸化します。

理念が従業員に根づかない最大の理由は、継続的に問いかけ、振り返る仕組みがないことです。

  • 店長がスタッフに「この判断はうちの理念に照らしてどうか?」と問いかける習慣
  • 朝礼で「理念と現場を結びつける一言コメント」を共有する仕掛け
  • 面談や評価に「理念の実践度」を含める工夫

こうした仕組みがあって初めて、企業理念は“標準化の土台”として機能し始めます。

理念を「繰り返し考えさせる」こと。
理念を「日々の判断と結びつける」こと。

この2つが欠けている会社では、たとえ完璧なマニュアルやシステムがあっても、
現場での行動がバラつき、チェーンとしての一体感は育ちません。

第2章|“企業理念を語れる現場”がある会社は強い

企業理念は、ただ掲げるものではなく、
「現場で語られ、行動に移されてこそ意味がある」ものです。

多くの企業では、理念は会社案内やオフィスの壁に飾られているだけ。
しかし、本当に強い企業は違います。

たとえば、スターバックス。

スタバのスタッフは、
「人と人とのつながりを大切にする」理念を
自分の言葉で語りながら、自然体で接客をしています。

接客マニュアルがなくても、一貫したホスピタリティが感じられるのは、
理念が“浸透”ではなく“根づいている”からです。

IKEAもまた同様です。

「より多くの人に、より良い暮らしを、手頃な価格で提供する」という理念が、
商品のデザイン、セルフサービス、店舗動線に至るまで貫かれています。

こうした企業では、スタッフが「なぜこの仕事をしているのか?」を理解しています。
理念は、単なるスローガンではなく、日々の判断と行動の“背骨”になっているのです。

第3章|理念を“現場で体現”する企業たち

■スターバックス

「人と人とのつながり」を理念に、
パートナー(従業員)が自分なりの接客を大切にしています。
マニュアルがなくても「スタバらしさ」が伝わるのは、
理念が行動にまで根づいているからです。

■IKEA

「より多くの人に、快適な暮らしを手頃に」
この哲学が、商品開発から物流、売場設計にまで一貫しています。

■ユニクロ

「服を変え、常識を変え、世界を変える」
この理念を自分の言葉で語れるよう、
社内教育やプレゼン文化が整備されています。

■オリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)

「ゲストの幸せが、私たちの幸せ」
キャストの行動指針として理念が根づき、
心のマニュアルとなっています。

第4章|企業理念は“最大の標準化”である

チェーンストア理論は「仕組み」の理論です。
けれど、その仕組みを支えている“見えない構造”こそが企業理念です。

  • 理念があるから、判断に一貫性が生まれる
  • 理念があるから、教育や評価がブレない
  • 理念があるから、マニュアルが「意味を持つ」

つまり、企業理念は「再現性」や「標準化」を可能にする、
チェーンストア理論の“根幹”とも言える存在なのです。

まとめ|理念があるから、世界とつながれる

企業理念は、掲げるだけのものではありません。
現場で語られ、考え続けられ、育てられるものです。

マニュアルや教育制度が整っていても、
理念がなければ現場はバラつき、やがて崩れていきます。

逆に、理念があれば、文化も言語も違うスタッフたちを、
“ひとつの方向”へ導くことができるのです。

世界に出たとき、文化の違う国々のスタッフを導けるのは、
確立された理念の浸透があるからこそ。

日本から、世界へ。
グローバルに羽ばたけるチェーンストアは、理念から生まれます。


最後に、チェーンストア理論をさらに深く学びたい方に、1冊おすすめの本をご紹介します。

桜井多恵子さんの著書『チェーンストアの教科書』は、現場の視点と経営の本質が結びついた、まさに「今、読むべき教科書」です。

チェーンストアとは何か、なぜ標準化が必要なのか──
現場で働く人にも、組織をつくる人にも伝わる、実践的でわかりやすい内容が詰まっています。

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