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【チェーンストア理論シリーズ⑥】店舗運営で「うちはうち」が崩壊を招く理由と標準化の本質を学ぶ

更新日:

店舗運営で「うちはうち」が崩壊を招く理由と標準化の本質を学ぶ

はじめに|「うちはうち」は本当に通用するのか?

こんにちは、森友です。

店長時代、そして講師として現場を見てきた中で、何度も聞いたこのフレーズがあります。

「うちはうちのやり方があるから。」

この言葉は一見、店舗ごとの工夫や自負にも聞こえます。
でも、チェーンストアという組織において、この「個店主義」は大きな落とし穴になることがあります。

本部と現場がかみ合わない。
マニュアルが形骸化する。
いつの間にか、現場の“ローカルルール”が組織の原則を上書きしていく。

今回は、そんな“現場のリアル”に切り込みます。

第1章|「うちはうちのやり方がある」の3つの正体

現場でこの言葉が出る背景には、以下のような心理があります。

1. 「本部のルールが現実に合っていない」

→ 仕組みに対して現場が“無力感”や“違和感”を感じている状態。

2. 「自分たちの工夫に自信がある」

→ 過去の成功体験があるため、変えることに抵抗を感じている。

3. 「言われた通りにやっても成果が出ない」

→ 本部からの指示が“手段”になっており、“目的”が伝わっていない。

つまり、「うちはうち」は、反発ではなく納得の欠如なんです。

第2章|個店主義がもたらす“組織の崩壊パターン”

この「うちはうち」が各店舗に蔓延すると、チェーンはどうなるのか?

  • 店舗ごとに売価やVMDがバラバラになる
  • 接客クオリティに差が出て、顧客体験が統一されない
  • 教育・育成が属人化して、引き継ぎができない
  • 「A店ではOKなのにB店ではダメ」という混乱が起きる

本部が築こうとしている「一貫したブランド体験」が崩れ、組織としての信頼が揺らいでいきます。

お客様視点で見る“個店主義”の怖さ

「うちはうちのやり方がある」という現場の姿勢は、内側から見ると合理的に思えるかもしれません。

でも、お客様はどうでしょうか?

  • いつも行く店舗と、品揃えが違う
  • 同じメニューなのに味が違う
  • 店員の対応が店舗によってまちまち

これは、“チェーンブランド”としての信頼を損なう重大なリスクです。

特に飲食や小売において、「いつでも・どこでも・同じ体験ができること」が最大の価値。
現場の工夫は尊重すべきですが、それが“統一された品質”を壊す方向であってはなりません。

第3章|なぜ本部と現場がかみ合わないのか?

原因は大きく2つあります。

1. 「現場の現実」が施策に反映されていない

  • 理論は正しい。でも使いづらい。
  • 決定者が現場から遠ざかっていることで、乖離が生まれる。

2. 「説明不足」で“目的”が伝わっていない

  • 本部は「どうやるか(How)」しか伝えていない
  • 現場は「なぜやるのか(Why)」がわからないため、納得できない

→ この溝を埋めない限り、仕組みは「上からの押し付け」に見えてしまいます。

第4章|講師として見た、“個店主義”に潜む善意と危険

私はこれまで、個店主義に「現場の愛」を感じることもありました。

  • 自分の店舗を良くしたい
  • メンバーに合ったやり方を模索している
  • 地域や客層に合わせて工夫している

でも、どんなに善意であっても――

「そのやり方が、次の世代に引き継げるか?」

そう問われたときに、答えが曖昧ならば、仕組みとしては未完成です。

まとめ|「現場を信じる」と「現場に委ねる」は違う

チェーンストア理論における「標準化」は、現場を縛るものではありません。

  • 再現性
  • 引き継ぎやすさ
  • 教えやすさ
  • お客様への一貫した価値提供

これらを担保するための“信頼の設計”です。

「うちはうちのやり方がある」――その言葉を否定する必要はありません。
でも、それが組織の成果を阻んでいるなら、“仕組みで進化させる”時が来ているのかもしれません。


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