こんにちは!森友ゆうきです。
今日は、店長業務に役立つ「消費者態度指数」についてお話します。
「経済指標って難しそう…」と思われる方も多いかもしれませんが、この指標は、お客様の「これから買おうかな」という気持ちを数字で読み解ける、非常に現場向きな情報なんです。
【最新記事の目次】
消費者態度指数とは?
消費者態度指数とは、「これから6か月間の生活や収入、雇用などに対して、どれくらい前向きに感じているか?」を消費者にアンケートして、数値化したものです。50を基準に、
- 50以上 → 気持ちが前向き(消費意欲が高い)
- 50未満 → 気持ちが後ろ向き(財布のひもが固い)
2025年5月の最新数値は「32.8(+1.4)」。6か月ぶりの上昇となりました。
いまの消費者心理は、コロナ禍と同レベル
今回の消費者態度指数「32.8」という数値、実はコロナ禍のど真ん中──2020年春〜2021年初頭とほぼ同じ水準です。
つまり、あの「外出も控え、買い物どころじゃない」という時期と、今の“買いたくない気分”は、同じくらいの冷え込みだということ。
感染症の恐怖はなくても、物価上昇、将来不安、実質賃金の低下など、“違う形の心理的ブレーキ”がかかっているのが今の現状です。
だからこそ、「なんで最近売れないんだろう?」と悩む必要はありません。
むしろ、「売れない状況下で、どうお客様に寄り添うか?」
それを考えられる店長こそ、真の現場リーダーだと私は思っています。
内訳を見ると、現場にヒントがある
消費者態度指数は、以下の4つの視点で構成されています。
- 暮らし向き(生活全体の実感)
- 収入の増え方
- 雇用環境
- 買い物したい気分(=購買意欲)
5月の数値では、「暮らし向き」が +2.9ポイント と大きく改善。一方で「購入気分」はまだ25.4と低く、お客様は「お金はあっても慎重に選びたい」という心理が強いことがうかがえます。
この数値から店長が読み取るべきこと
例えば、こんな見方ができます:
- 「暮らし向き」や「雇用環境」が改善 → 値上げ商品や高単価提案も届きやすい
- 「購入気分」が低い → 来店したお客様の購買決定は、現場の“ひと押し”がカギ
だからこそ、私たちが現場でできることは、「買う理由」を提供すること。
今月のおすすめ店長アクション
- 接客では「今買う理由」を具体的に伝える(例:「来月値上げ前に」など)
- POPやSNSで“今の生活を少しよくする提案”をする
- スタッフに「お客様の不安・迷いに寄り添う声かけ」を共有する
消費者態度指数は単なる経済指標ではありません。お客様の心の鏡です。だからこそ、数字を読み、現場に翻訳する力が、店長の魅力を高めるカギになります。
まとめ|数字を“活かせる店長”が、売上の差を生む
今、消費者態度指数は50を大きく下回る「32.8」という水準にあります。
これは、お客様が「今は買う時期じゃない」と感じている状態。
だからある意味、売れなくて当然でもあるのです。
こんな時に、「売れない=自分のせい」と抱え込む必要はありません。
大切なのは、その前提を理解したうえで、何を打つか。
たとえば、
- 「今買う理由」をお客様に届ける
- 不安を安心に変える言葉を使う
- 生活を少しよくする提案を、商品と一緒に渡す
そうしたアクションが、お客様の“買わないつもり”を“買ってもいいかも”に変えていく。
数字は「気持ちの温度計」。だからこそ、数字を読む力は、「気持ちをくむ力」でもあります。
売上の前にある、心の流れを読み解く。
そんな力を、私たち店長が身につけていけたら、現場はもっとおもしろくなります。
次に数字が上向いたとき、もっと売れる店になっている。その準備を、今、静かに始めましょう。
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森友ゆうき