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メーデーの歴史と労働組合の役割とは?現場で働く人が知っておくべき原点

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こんにちは!森友ゆうきです。

「メーデーってなんとなく聞いたことあるけど、正直ピンとこない」
「労働組合って、自分には関係ない気がする」

「毎月、組合費だけ引かれてるけど、本当に必要なの?」

小売業やサービス業で働いていると、そう感じる方が多いかもしれません。

でも、実はメーデーも労働組合も、今の私たちの働き方を支える“原点”に深く関わっている存在です。

この記事では、「メーデーとは何か?」「労働組合はどんな役割を果たしてきたのか?」を歴史からひも解きながら、
現場で働く私たちが“なぜ今あえてこの話を知るべきなのか”をやさしく解説します。


1. メーデーとは?|5月1日は“働く人”の記念日

メーデー(May Day)は、労働者が団結して権利を主張する国際的な記念日です。
毎年5月1日、世界中の労働者が集まり、働く人の権利や労働条件の改善を訴えます。

ヨーロッパでは祝日として広く知られ、日本でも「労働者の日」として戦後から続く歴史があります。

しかしその起源は、単なる記念日ではなく命がけの運動でした。


2. メーデーの歴史|「8時間労働制」を求めた闘いから始まった

メーデーの起源は1886年、アメリカ・シカゴの労働運動にあります。

当時の労働者は、1日12~16時間働かされ、休日もほとんどない過酷な環境に置かれていました。
その状況を変えようと、「1日8時間労働制」を求めて労働者たちが一斉に立ち上がったのです。

1886年5月1日、全米で40万人を超える労働者がストライキを決行。
その中でも特に大規模だったのがシカゴのデモで、後に「ヘイマーケット事件」として知られる流血の惨事に発展します。

この事件は、労働者の命を奪いながらも、世界中に「働く人の権利」を訴える大きなきっかけとなり、
1889年、パリで開催された国際労働者会議にて、「5月1日を労働者の団結の日」とする決議が採択されました。

それが現在の国際メーデーのはじまりです。


3. 日本におけるメーデーと労働組合の発展

日本で初めてメーデーが開催されたのは、1920年(大正9年)東京・上野公園でした。

およそ1万人の労働者が集まり、以下のような要求を掲げました:

  • 8時間労働制の実施
  • 最低賃金制度の導入
  • 児童労働の禁止

しかし当時の日本では、労働運動への風当たりが強く、戦前は警察の監視や規制が厳しく、思うような活動ができませんでした。

それでも、戦後の民主化の中で労働三権が認められ、
1946年には戦後初の本格的なメーデーが行われ、以降は全国各地で労働組合による活動が活発化します。

特に高度経済成長期には、大手企業の企業別組合が力を持ち、
労働条件や賃上げ、福利厚生の交渉が盛んに行われるようになりました。


4. ストライキとは何か?|誤解されやすい“最後の交渉手段”

メーデーというと、「デモ」や「ストライキ」のイメージを持つ方もいるかもしれません。
中には「迷惑行為では?」「仕事放棄なのでは?」と誤解している方もいます。

しかしストライキ(労働争議)は、日本国憲法と労働法で認められた“労働者の権利”です。

✔ 憲法で認められた「団体行動権」

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」(憲法第28条)

✔ 労働組合法でも保護されている

  • ストライキに参加したことを理由に解雇してはいけない
  • 交渉中の従業員を脅すような行為も禁止

✔ ストライキは「いきなりの対立」ではない

何度も話し合いをしても解決しないときに、最後の手段として行使される意思表示です。
だからこそ、軽く見ても、軽く扱ってもいけません。


5. 私自身が気づいた、労働組合の“本当の意義”

実は私も、3年前に労働組合の中央執行委員を務めたことがあります。

当時、子どもはまだ2歳。
家族との時間を調整しながらの活動で、参加は1年だけに限られましたが、
全国の社員やパートの方と語り合った時間は、今でも心に残っています。

店長時代、私は「労働組合大会」を“勉強の場”と捉えていて、
新入社員を送り込むこともありました。ですが、今振り返れば──それは間違いだったと断言できます。

あの大会は、何百人もの参加者の前で、委員長に意見をぶつける場です。
単なる知識ではなく、現場の声を背負い、交渉する覚悟と度胸が求められます。

「ここで意見を出さなければ、草案はそのまま可決されていく」
そんな空気の中、マイクの前に立つのは現場の責任者としての重みを知っている人間でなければなりません。

最低でも、副店長以上の経験値が必要です。
その場にふさわしい“戦う現場代表”でなければ、組合の本質は伝わらない――そう強く感じました。


6. 現場を背負う人にこそ、メーデーと労働組合の意味を

多くの店長や副店長が、日々の業務に追われながらも、
スタッフの悩みを聞き、配置を考え、クレームを受け、数字を追いかけています。

そんな中で「労働組合の活動にまで関われない」と思うのは当然です。
でも、本当に現場の課題を解決したいなら、労働組合の仕組みやメーデーの意義を一度、真剣に知っておくことが必要です。

なぜなら──

  • あなたの代わりに「現場の声を届ける仕組み」が組合にあるから
  • 改善のチャンスは「交渉のタイミング」にしか生まれないから
  • “黙っているだけ”では、何も変わらないから

組合に入る・入らないではなく、“労働者の声が届く場”をどう活かすかが重要なのです。

そしてそれを担えるのは、日々現場を動かしているあなたのような人なのかもしれません。

森友ゆうきのひとこと

メーデーは、ただの記念日ではありません。
現場の声を会社に届ける、年に一度の労働者の人権について考える日です。

そして労働組合は、時に重たく感じるかもしれませんが、
誰かが声をあげるからこそ守られてきた制度や権利があります。

現場の責任を背負う立場になった今だからこそ、
「声をあげる人」の気持ちと「声を上げられない人」の想い、
その両方に寄り添えるリーダーでありたいと思っています。

 


森友ゆうき

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