おすすめ度★★★ 防ぐ力

静かに進む“外壁の老化”を見逃すな!|店長が知っておくべき建物メンテナンスの基礎

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こんにちは!森友ゆうきです。

今回は「防ぐ力」シリーズとして、外壁メンテナンスの重要性を取り上げます。
実はこれ、現場の店長にとっても“無関係ではない”話なのです。

特に、館が古い商業施設や郊外の大型店舗では、外壁の劣化がじわじわと進行しているケースが少なくありません。

目に見える変化は小さくても、それがやがて売場環境の悪化・安全性の低下・信頼性の損失につながることも。

この記事では、外壁の「コーキング剥がれ」や「チョーキング現象」が、どんなリスクを招くのかを、店長目線でわかりやすく解説します。

古い館で起きている“静かな崩壊”

外から見ると普通に営業しているように見えても、建物の外壁は確実に年を取っています。
特に注意したいのが、次のような現象です。

  • コーキング(外壁の継ぎ目のゴム)が剥がれている
  • 壁を触ると白い粉がつく(チョーキング現象)
  • 外壁に細かいひび割れが出ている
  • 雨上がりに壁がまだ濡れている箇所がある

こうした劣化は目立たないところから始まり、気づかないうちに進行していきます。
そして、劣化が深刻になると、水が建物の中に侵入し、様々な問題が起き始めるのです。

 コーキング剥がれが“水の侵入口”になる

コーキングとは、外壁パネルの継ぎ目や窓のまわりなどに使われているゴム状の防水材です。
この部分が経年劣化や紫外線、寒暖差によって剥がれたり、ひび割れたりすると、そこから雨水が侵入してしまいます。

雨水が壁の内部に入り込むとどうなるか──。
壁の裏側が濡れてカビが発生したり、内装のクロスに染みが出たりすることがあります。

さらに、バックヤードの壁からじわっと水が染み出てきたり、異臭やカビ臭がするようになれば、スタッフの健康環境にも影響が出ます。

たとえ建物が賃貸物件であっても、こうした事象は現場に直接的なダメージとして降りかかってきます。

「賃貸だから関係ない」ではなく、「早期発見して本部やオーナーに伝える」
──これも店長の“防ぐ力”です。

 白い粉=“塗膜の死” チョーキング現象とは?

外壁を指で触ったときに白い粉がつくことがあります。これは「チョーキング現象」と呼ばれ、塗装の劣化サインです。

塗膜が紫外線や雨風に長期間さらされることで、表面が分解されて粉状になる──つまり、防水性能がほぼ失われている状態です。

この状態のまま放置すれば、外壁が“素肌むき出し”の状態になり、水が壁材内部に染み込むようになります。

 カビの発生は“静かな汚染”

雨水が外壁から内部に侵入すると、やがて壁の内側やバックヤード、什器裏などの湿気が高まり、カビが発生します。

カビは臭い・変色・染みといった見た目の問題だけでなく、アレルギーや呼吸器障害を引き起こす可能性もあります。

特に店舗では、スタッフの健康被害や労働意欲の低下、さらにはお客様からの「不衛生な印象」に直結します。

目に見えない“湿気”が、静かに現場をむしばむ。
それを防ぐのも、店長の「防ぐ力」です。

 躯体にまで水が達すると“爆裂”が起きる

壁の内側、つまり建物の構造(躯体)部分に水が入り込むと、さらに深刻な問題が起きます。
それが鉄筋コンクリートの「爆裂(ばくれつ)」現象です。

鉄筋が水に触れることで錆びて膨張し、それが内側からコンクリートを押し割ってしまうのです。
これはコンクリートの剥離・崩落を引き起こす、非常に危険な構造ダメージです。

つまり、外壁の劣化は単なる美観の問題ではなく、建物の命に関わる問題なのです。

 外壁塗装とコーキングは「10年に一度」の備え

一般的に、外壁塗装やコーキングの打ち直しは10年に一度が基本。
環境が良くても15年が限界です。それ以上放置すると、劣化は一気に進みます。

これは店舗だけでなく、マイホームでも同じ
特に木造一戸建ての場合、外壁メンテナンスの費用は100〜200万円程度かかりますが、
惜しんではいけません。

なぜなら、木造住宅も水が構造部(柱・土台)に入れば、躯体から崩れるからです。

備えるとは、資金を貯めておくことでもある。
建物も、人生も、“崩れる前に”守る準備が必要です。

 店長にできる現場チェックと報告

建物のメンテナンスは管理会社やオーナーの仕事──。
もちろんそれは正しいのですが、現場の異常に最も早く気づけるのは、現場の店長です。

たとえ賃貸物件でも、以下のようなチェックを月1回程度実施し、記録を残す・写真を撮る・本部に共有するだけで、
リスクの芽を早期に潰すことができます。

✅ 店長が見るべき外壁のポイント

  • コーキングのひび割れ・剥がれ
  • 外壁を触ると白い粉(チョーキング)がつく
  • 雨の翌日でも濡れている壁の箇所
  • 室内の壁にカビ・染み・剥がれが出ていないか

店舗を守ることは、「商品」や「売場」だけではありません。
店舗という“器”を守る意識が求められます。

 まとめ|防ぐ力は“建物”にも向ける

外壁メンテナンスの話は、一見すると本部や管理側の業務に見えるかもしれません。
しかし、本部は逐一全国の店舗のチェックをすることは不可能です。

店舗状態のチェックも店長に任されてると考えることが普通です。

コーキング剥がれ → 雨水浸入 → カビ・染み → 躯体の腐食や爆裂。
この“負の連鎖”を止めるには、早期発見と早期報告しかありません。

そしてこれは、マイホームでも全く同じです。
建物は“外から壊れていく”もの。

本部に言っても「どうせやってくれない」と思うのではなく、問題があることは伝える義務があります。

外壁劣化という無言のメッセージに気づき、劣化があることは声にしましょう。

見てもらったように、躯体に水が入れば簡易補修で済まなくなります。

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