こんにちは、森友ゆうきです。
今回は、店長として部下との関わり方に悩んだときに私がいつも思い出していた、ある「童話の一節」を紹介させてください。
それが「北風と太陽」の話です。
最後にあなたは「北風型なのか」「太陽型なのか」簡単なセルフチェックを用意しています。
それでは、童話の紹介からスタートしていきましょう!
【最新記事の目次】
第1章|力で動かすか、心で動かすか
ある日、北風と太陽が「どちらが旅人のコートを脱がせられるか」で勝負をしました。
北風は力いっぱい風を吹きつけます。
しかし、旅人は寒さに耐えようとして、コートをさらに強く握りしめてしまいます。次に太陽が優しく照らすと、旅人は暑くなって、自然とコートを脱ぎました。
この寓話が示しているのは、
相手の「上着(=心のガード)」をどう脱がせるか、つまり“人の行動をどう変えるか”の本質です。
人は、力で押しつけられると身構えます。
でも、あたたかく接することで、自然と心を開き、自分から変わろうとする。
これはまさに、部下指導にも通じる関わり方の原則なのです。
第2章|“北風型”の店長と“太陽型”の店長
たとえば、部下がミスをしたとき。
北風型の店長は、
- 「おいおい!何やってんだ!」
- 「どうしていつもこうなんだ!」
と声を荒げて怒鳴りつけます。
すると部下は防御を固め、言い訳したり、黙り込んだりしてしまうでしょう。
一方で、太陽型の店長は、
- 「うまくいかないこともある。次はどうする?」
- 「ある意味、これはチャンスかもな」
と、部下が前を向けるように関わります。
この声かけが、部下の思考を未来に向けさせ、行動のエネルギーになります。
第3章|「正しさ」で動かすのではなく「環境」で動かす
大切なのは、部下を力で動かそうとするのではなく、部下が“自分から動きたくなる環境”を整えることです。
つまり、「間違ってるから直せ」ではなく、
「自分で気づき、変わりたいと思える」場をつくること。
これこそが、太陽型の関わり方の真髄です。
部下のやる気は、指示ではなく環境によって引き出されます。
では、どうすれば“太陽型”の関わり方ができるのか?
次の章では、具体的なポイントを紹介します。
第4章|太陽型の店長がつくる“前向きな空気”とは?
「太陽型の関わり方」とは、具体的にどういうことでしょうか?
それは、以下のような接し方がベースになります。
- 部下の挑戦を認める:「やってみたこと自体がすごいよ」
- 未来志向の声かけ:「次はどこを改善する?」
- 感情より思考に寄り添う:「今の気持ち、どう整理してる?」
部下は、できなかったことよりも「見てもらえた」「考えられた」と感じることで、
行動を変えるエネルギーを得るのです。
北風のように“正しさ”で押しつけるのではなく、
太陽のように“温かい視点”で関わることが、結果的にチームの成果にもつながっていきます。
第5章|「環境が変われば人は変わる」を信じる
人は、環境によって思考も行動も変化します。
「何度言っても変わらない部下」がいるとき、
「本人のやる気がない」と決めつけたくなります。
しかし本当にそうでしょうか?
もしかするとその部下は、
- 安心して相談できる相手がいない
- どうせ聞いても変わらないと思っている
- 失敗して怒られるのが怖い
そんな環境の中で、心の上着を固く握りしめているのかもしれません。
だからこそ、店長であるあなたが、
「自分から脱ぎたくなる環境」づくりを意識することが大切です。
第6章|診断|あなたは“北風型”?“太陽型”?
ここまで読んでくださったあなたに、簡単なセルフチェックをご用意しました。
あなたはどちらの傾向が強いか、確認してみましょう。
以下の質問に「はい」「いいえ」で答えてみてください。
- 部下のミスには、まず指摘や注意を優先している
- 正確な行動や数字を重視するあまり、感情に配慮しにくい
- 部下に対し「指示や答え」を先に伝えることが多い
- 「時間がないから」「先回りしてあげた方が早い」と感じる
「はい」が3つ以上あった方は…
“北風型”の傾向が強いかもしれません。
「いいえ」が多かった方は…
“太陽型”の関わり方をすでに実践できている可能性があります。
いずれにしても、目指すのは
「自ら行動したくなる空気」をつくれる“太陽型店長”です。
まとめ|行動を変えるには、心の上着を脱がせる
北風と太陽の話が教えてくれるのは、
「人は力では変えられない」という真理です。
ミスを叱っても、強く言っても、人は動きません。
でも、「信じてくれている」「見てくれている」と思える環境があるとき、
人は自然と“やってみよう”という気持ちになれるのです。
店長は、部下にとって「太陽」のような存在であるべきです。
そして最後にお伝えしたいのは…
すべてのプロセスは、全体性を広げるためにある
部下のミス、うまくいかなかった経験、焦りや不安。
すべては、チーム全体を成長させるプロセスの一部です。
ぜひあなた自身も「太陽型」の関わり方を実践し、
現場の“やる気の循環”を生み出してください。
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