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数字で“売上の空気”を読む|消費者態度指数と街角景気の使い方

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こんにちは!森友ゆうきです。

「最近、売上が読めないな…」
「お客様の財布のヒモ、ちょっと締まってきてない?」

そう感じるときに、私は必ず2つの指標を見ます。
それが「消費者態度指数」と「景気ウォッチャー調査(通称:街角景気)」です。

今回は、2025年4月時点の最新データをもとに、
お客様の“気分”や“買い方”の傾向を読み解き、店舗戦略のヒントとして活かせる視点を紹介します。


第1章|消費者態度指数とは?

これは、内閣府が毎月発表している指標で、
消費者が今の暮らしをどう感じているかを数字で表したものです。

50が“中立ライン”。それより低いと「慎重」、高いと「楽観的」とされます。

▼ 2025年4月の最新データ

  • 総合指数:31.2(−2.9pt)
  • 暮らし向き:27.3(−3.6)
  • 雇用環境:35.7(−3.5)
  • 収入の見通し:37.5(−1.3)
  • 耐久消費財の買い時判断:24.2(−3.1)

▼ グラフ:過去1年の推移

消費者態度指数グラフ

この数字が意味するのは、「お客様が財布のヒモを締め始めている」ということ。
特に「買い時判断」が下がっているのは、高額商品の売れづらさに直結します。


第2章|景気ウォッチャー調査とは?

「今、景気どうですか?」という問いに対して、
小売業・飲食店・美容室・タクシー運転手など“現場の声”で返すのがこの指標です。

▼ 2025年4月の最新データ

  • 現状判断DI:42.6(−2.5pt)
  • 先行き判断DI:42.7(−2.5pt)

▼ グラフ:街角景気の推移

景気ウォッチャー調査グラフ

DIは「50が境目」。今月は4か月連続で下落し、42台に突入しました。

特に目立つのが、飲食業・サービス業での景況感悪化。
「お客様は来るけど、控えめな買い方」「夜の客足が戻らない」といった声が目立ちます。


第3章|この2つ、どう使えばいい?

両方とも共通して言えるのは、“気分が落ちている”ということ。

  • 接客トーンは、より丁寧に・安心感を意識
  • POPは「今ならお得」「まとめ買いで安心」など、価値訴求を前面に
  • 売上目標の見直しや販促タイミングの調整も検討対象

数字は“正解”ではなく、“補助線”です。
「そう感じてた、やっぱりそうか」という裏付けとして活用しましょう。


第4章|景気指標を“売場づくり提案”に活かす(家具・ホーム編)

本部判断で売場方針が決まる業態だからこそ、
店長には「街の空気」を読み取り、本部に伝える責任があります。

売上が鈍化しても「指示を待つ」だけではなく、
数字を根拠に、“こう動きたい”と起案する姿勢が、現場に求められています。

▼ 店長が本部へ提案できる“判断軸”

  • 耐久消費財の買い時指数が下がっている → 高額訴求を控えたい
  • 街角景気(DI)が低下している → 「今こそ安心」訴求に切り替えたい
  • 雇用環境の不安感が広がっている → 無金利・保証強化などの支援型プロモーションを提案

▼ 提案に必要な“指標データの読み方”

  • 消費者態度指数(毎月発表)で、買い時判断・収入見通しに注目
  • 街角景気(DI)で、小売・住宅・家具分野の現場感を見る
  • 前年比だけでなく、「前年同月の景況感」との比較も資料に加えると効果的

▼ どこから見られるか?

  • 消費者態度指数:内閣府「消費動向調査」
  • 景気ウォッチャー調査:内閣府「景気ウォッチャー調査」

▼ いつ見るべきか?

  • 月初5日〜10日頃:前月分の指標発表後
  • 月初会議・MD会議の前にチェックすると効果的

▼ どの視点で見るべきか?

  • 変化幅に注目(上がったか下がったか)
  • 買い時判断や雇用環境が下がっていれば → 安心感・節約訴求型
  • 収入見通しが上昇していれば → 上質・高額商品の露出強化も

おわりに|数字は“補助線”、判断は本部と現場の対話から生まれる

チェーンストアにおいて、景気指標を見るべきなのは店長ではありません。

本来、営業企画・商品部・マーケティング部門が毎月チェックするべき数字であり、
エリアマネージャーやゾーン責任者が、管轄店舗の「空気感」と照らし合わせて見ることに意味があります。

消費者態度指数や景気ウォッチャー調査は、
「全国的に」「地域別に」「業種別に」お客様の気分がどう動いているかを見える化してくれます。

それは、MD戦略・販促計画・売場構成を決める本部の判断材料であり、
「現場の肌感」とのズレを埋めるための共通言語でもあります。

定例会議の中で、こうした数字を起点に現場と対話する文化が育てば、
売上が読めない時代でも、「動ける組織」に変わっていけるはずです。

続編記事!

現場の声を数字で後押しする方法として、
「消費者態度指数」「景気ウォッチャー調査」の使い方を、
実際の企画提案にどう落とし込むかをわかりやすく解説していきます。

現場の“声”を本部が動かすには?|景気指標を使った企画提案のつくり方


森友ゆうき

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