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店舗運営の本質は顧客の創造にある|ドラッカーから学ぶ店舗マネジメントとは

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店舗運営の本質は顧客の創造にある|ドラッカーから学ぶ店舗マネジメントとは

こんにちは!森友ゆうきです。

今日は少し難しい話をわかりやすく、深く嚙み砕きます。

「企業の目的は、顧客の創造である。」

これは経営学者ピーター・ドラッカーの代表的な言葉です。
“利益”でも“成長”でもなく、「顧客をつくることこそが、企業の本質である」と喝破しています。

この考え方は、私たち小売の現場——店舗運営にも驚くほど通じます。

店舗では、「来店数」や「売上」「客数」を毎日追いかけます。
けれど本質的には、それらは“結果”に過ぎません。

本当に大切なのは、「なぜお客様はこの店に来てくれるのか?」
そして、「どんな理由があれば、また来てくれるのか?」

“顧客を創造する”という視点を持ったとき、
店長の考え方も、現場の動き方も、大きく変わります。

もし「顧客の創造」がなければ、私たちはただ“モノを売っているだけ”になります。

「売上が上がった、うれしい!」
「評価に反映された、よかった!」

それで本当に、この先も生き残れるのか?

“目の前の売上”だけを見ていたら、やがて“選ばれない店”になる。

だからこそ、今こそ「顧客を創造する」視点が必要なのです。

今回の記事では、ドラッカーの名言をひとつずつ引用しながら、
森友なりに、それを店舗運営にどう落とし込むかを5つの視点で解説していきます。

読後には、「売上を追う店長」から
「顧客を創る店長」へと進化できるように、言葉を尽くしていきたいと思います。

第1章|顧客とは誰か?を問い直す

ダイヤモンド・オンラインより画像引用

ドラッカーはこう言いました。

「顧客とは誰か。顧客が価値とするものは何か。」

この言葉を店舗運営に置き換えると、驚くほど深い問いになります。

あなたの店にとっての「顧客」とは、誰でしょうか?

年齢層?性別?居住エリア?
それとも、平日によく来る主婦層?週末のファミリー?閉店間際の学生?

そして、そのお客様が“価値を感じているもの”とは何でしょうか?

“売れている商品”=“価値が伝わった証”

売れている商品は、顧客が「価値を感じた結果」です。

でも店長として大事なのは、その背景を読み解くことです。

  • なぜこの商品が売れているのか?
  • 誰が買っているのか?
  • どんな理由で「買いたくなった」のか?

これらを明確にできれば、売場は再現できます。
つまり、“売場を再現する”ことは“顧客を創造する”ことにつながるのです。

第2章|売らずに売れる仕組みをつくる

ドラッカーはこう語りました。

「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。」

この一文を初めて目にしたとき、私は少し戸惑いを覚えました。

「販売こそが仕事なのに、なぜそれを“不要”とするのか?」

しかし、よく考えてみるとチェーンストア理論とも重なることに気付きます——

私たちが毎日立っている「セルフサービス型の小売業」こそが、
まさにこの“販売を不要にする”思想の具現化なのです。

お客様は、接客を受けなくても買い物ができる。
商品の価値をPOPや陳列から読み取り、自ら選び、決済まで完結する。

つまり、ドラッカーの言葉を当てはめてみると店舗そのものが「販売を不要にする仕組み」であるべきなのです。

売らなくても「買いたくなる」売場がある

売れていた売場にあるのは、3つの要素です。

  • 導線:お客様が自然に足を止めたくなる位置
  • 体験:触れる、比べられる、納得できる展示
  • 言葉:価格や特徴ではなく“選ぶ理由”が伝わるPOP

これらが揃うと、お客様は「自分で欲しくなる」

販売トークを聞かなくても、接客を受けなくても、
“買う理由”が自分の中で自然に浮かんでくる。

それが、販売を不要にする=顧客が勝手に動き出す設計です。

これらはまさにチェーンストア理論の核心です。

販促は「仕掛け」ではなく「創造」

販促というと、「売るための手段」「数字を上げる施策」として使いがちです。

でも本質は、「お客様を動かすきっかけをどう設計するか」。

販促=“創造”の行為なのです。

現場の工夫が「創造」になる瞬間

POPの文言を変えただけで、手に取る人が2倍になった。
体験展示を加えたことで、リピート率が1割上がった。

そんな例は現場にいくらでもあります。

ドラッカーの「販売を不要にする」という思想は、
「売らずに売れる現場」をつくるための最高のヒントです。

第3章|買わなかった人にこそ、創造のヒントがある

ドラッカーはこう言いました。

「顧客の声を聴くことが、革新の出発点である。」

店舗では「売れたもの」や「売れた理由」ばかりに注目しがちです。

しかし本当に店を変えるヒントは、“買わなかった人”の中にこそ眠っています。

買わなかった=価値が届かなかった

お客様が商品を手に取ったけれど買わなかった。
店に来たけれど、何も買わずに帰った。

これは失敗ではありません。
「何かが届かなかった」ことのサインなのです。

  • 価格?
  • 比較対象がなかった?
  • 使用イメージが湧かなかった?
  • スタッフとの接点がなかった?

買わない理由の中に、“まだ見ぬ顧客”のニーズが隠れています。

売上よりも「離脱ポイント」に注目せよ

数字で言えば、「入店客数 − 買上客数 = 買わなかった人」です。

つまり、売上アップを狙うなら、
「あと1人を買う気にさせるには何が必要か?」という設計のほうが、
実は費用対効果が高いのです。

ドラッカーの言う「顧客の声」とは、
アンケートやクレームだけではありません。

離脱という“無言の声”を聴き取れるか。
それも、店長の感度のひとつです。

観察から“創造”が始まる

・お客様が立ち止まった場所
・商品を触ったあと、戻した棚
・「また来ます」と言って帰った人の表情

こうした何気ない観察の中に、
“あと1歩”を埋めるヒントが詰まっています。

ドラッカーは「顧客の声を聴け」と言いました。
私たちに必要なのは、その“声にならない声”を拾う視点なのです。

第4章|店長・現場のリーダーこそが“顧客創造のエンジン”である

ドラッカーはこう語りました。

「変化はコントロールできない。できるのは先頭に立つことだけだ。」

店舗運営において「変化」とは、
日々変わる顧客のニーズ、競合の出現、季節や気候、SNSの影響…

つまり、変化こそが日常なのです。

その変化の先頭に立てるのは、現場のリーダー=店長

「本部の指示通りに売場を変えた」
「本社から言われた棚割を守った」

それだけでは、顧客の創造はできません。

なぜなら、本部は“来店しているお客様”を毎日は見ていないからです。

誰よりもお客様に近い場所にいる店長が、
「このお客様のために、どんな価値をつくるか?」を考えなければ、
創造は現場に宿りません。

店長の問いかけが、現場を変える

  • 「この棚、誰のためにある?」
  • 「このPOP、どんなお客様に響く?」
  • 「この導線、誰が使いやすい?」

こうした問いを持つことは、
「誰を、どう創るか」という経営そのものなのです。

第5章|顧客の創造は、売上の再現性を生む

店舗運営において、売上が“偶然の結果”になってはいけません。

「今日は売れた」「なんとなく当たった」ではなく、
「なぜ売れたかを説明できる」状態をつくることが、次の一手を導きます。

誰に売れたのか?が説明できれば、再現できる

  • この商品は、平日午前中に来る60代女性がよく買っている
  • POPには“家事の時短”と書いた。手に取る理由が見える
  • 棚の高さがちょうど目線と合っていた

このように「誰に、なぜ、どうやって」売れたかが明確なら、
“同じ売上”をもう一度つくることができます。

数字ではなく、「意味」を設計せよ

売場づくりの本質は、商品を並べることではなく、
「その売場に、どんな意味があるのか」を考えることです。

誰の、どんな課題を、どう解決する場所なのか。

その“意味”にお客様が共感したとき、
「売らなくても売れる」状態が生まれます。

売上を“創る”とは、顧客の意味を“設計する”こと。
それができる店長は、どんな時代でも結果を残せるのです。

まとめ|顧客の創造とは、選ばれる理由をつくること

ここまで読み進めていただき、ありがとうございます。

もしかすると、「少し難しかったかな?」と感じられた方もいるかもしれません。

それでも、読んでくださったあなたにはきっと、
「ただ売るのではなく、“理由”をつくることが大事」という本質が伝わったと思います。

ドラッカーの言葉を現場で活かすとは、
「売上を追う」のではなく「お客様をつくる」こと。

この視点を持てる店長は、どんな環境でも、どんな状況でも、
“選ばれる店”をつくることができます。

本質:ドラッカーから学ぶ店舗マネジメント

あなたの店が、なぜ存在しているのか。
誰にとって、どんな価値があるのか。

それを考え、実行できるのは、他でもない店長であるあなたです。

最後にもう一度、ドラッカーの言葉を贈ります。

「企業の目的は、顧客の創造である。」

売上を追いかける日々の中でも、
この言葉を、心のどこかで思い出してもらえたら嬉しいです。

今日もあなたの店舗が、誰かにとっての“必要な場所”でありますように。

【エピローグ】“a customer” に込められたドラッカーの思想

「The purpose of business is to create a customer.」(ビジネスの目的は、顧客の創造である)

ピーター・ドラッカーのこの言葉は、ビジネスの原点を私たちに問いかけています。

この “a customer” の “a” は、単なる「ひとりの顧客」ではありません。

それは、まだ存在していない「顧客という存在」を、
企業や現場が“意味”の力によって創り出すことを意味しています。

価値とは、企業が定義するものではなく、
お客様の心の中に“欲しい”という気持ちが生まれた瞬間に初めて成立します。

Creating a customer とはつまり、
「売る」ことではなく、「お客様にとっての“理由”を創ること」なのです。

店頭で誰かが立ち止まり、ふとPOPに目をやる。
その言葉が心に届き、手を伸ばし、「これが欲しかった」と思う——

その瞬間、あなたが創った “a customer” がそこに生まれるのです。

売上の裏に、いつもひとりの顧客がいる。
そのひとりは、あなたが設計した売場・言葉・導線によって動き出した。

“a customer” とは、たったひとりの心に生まれた「理由ある顧客」。

あなたがそのひとりを創る限り、
どんな時代でも、あなたの店は「必要とされる場所」であり続けるのです。

森友ゆうき

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