こんにちは!森友ゆうきです。
ここまで、スタッフ育成マスタリーモデル「M理論」のM1〜M3について解説してきました。
今回はいよいよ最終章。
「M4 【委任型】エンパワーメントで育てる」ステージについてお伝えします。
【最新記事の目次】
第1章|エンパワーメントとは何か?
エンパワーメントとは、もともと「力を与える」という意味を持つ言葉です。
ビジネスの場面では、スタッフ一人ひとりが自ら考え、行動し、挑戦できる状態を支援することを指します。
つまり、単に「自由に任せる」ということではありません。
スタッフに仕事の意義を伝え、成長を支え、自ら動く力を引き出していく。
それが、育成のゴールであるエンパワーメントです。
第2章|エンパワーメントを支える4つの要素
- 有意味感:自分の仕事に意義を感じられること
- 自己決定感:自ら選択して動ける自由があること
- 自己効力感:自分にはできるという自信を持てること
- 影響感:自分の行動が組織に影響を与えていると実感できること
店長は、この4つを意識して支援していくことで、M4スタッフをさらに成長させることができます。
あなたも仕事を「やれされる」より「自分の意思でやっている」と思うことで、楽しくなるのではないでしょうか?
M4段階になり、店長から委任されたら上記4つの心理が働きやすい環境になります。
第3章|M4スタッフ支援の3つの鉄則
- ゴールを共有する(成果基準を明確に)
「これを達成できたら素晴らしい」というゴールと、その意義を共有しましょう。 - 振り返りの場を作る(自己省察を促す)
定期的なサンプリングチェックで、成果とプロセスを一緒に確認します。 - 挑戦を称賛する(結果よりプロセス)
失敗も含めて挑戦を認め、自己効力感をさらに高めます。
◆事例紹介|星野リゾートに学ぶエンパワーメント型支援
例えば、エンパワーメント型組織づくりで有名な「星野リゾート」では、
現場スタッフが自ら考え、改善提案を行う文化が根づいています。
単なる指示待ちではなく、「自分たちで最高のサービスをつくる」という意識がスタッフ一人ひとりに育まれています。
こうしたエンパワーメント型支援は、スタッフの成長だけでなく、
組織全体の競争力を高める原動力にもなっています。
第4章|育成の流れを守る:サンプリングチェックと再育成
M4になったスタッフも、定期的にサンプリングチェック(抜き打ち確認)を必ず行いましょう。
もし基準を満たさない、自己流が強くなるなどの兆候が見えたら──
ためらわずに、M1からやり直す。
これは「厳しさ」ではなく、「本気で育成する覚悟」です。
確認されない業務は、不正の温床になるだけでなく、本人の成長過程も把握してくれない状況になりかねません。
M4はゴールではありません。育成サイクルの中で常に「支援→確認→支援」を回し続けることが大切です。
第5章|M1からM4へ|育成の進化を振り返ろう
ここで、スタッフ育成マスタリーモデル「M理論」の全体像をもう一度振り返ってみましょう。
ステージ | スタッフの状態 | 店長の役割 |
---|---|---|
M1 | 完全な新人。作業の型を徹底して叩き込む段階。 | 徹底的にティーチングで型を教え切る |
M2 | 作業はできるが、応用判断や自信はまだ弱い。 | ティーチング+コーチングで飽きさせず、気付きを促す |
M3 | 応用力あり、自己判断もできるがまだ成長過程。 | 支援型コーチングで育てる |
M4 | 基本・応用・判断力すべて揃い、任せられるレベル。 | エンパワーメントで支援する |
育成とは、一段ずつステージを登るようなものです。
一人ひとりの成長に合わせ、店長自身も関わり方を変化させ、進化してきました。
そして、M4へ到達した今こそ、信じて支える育成が始まります。
第6章|まとめ|信じて育て、支え続ける
スタッフが自ら考え、動き、挑戦する姿。
その背中を、あなたが信じて支えていく。
手をかけた分だけ育ち、
手を離しても、見守った分だけ羽ばたいていきます。
育成とは、静かに力を信じ続けること。
そんな素敵な現場が、また一つ、あなたの手で生まれることを願っています。
振り返り|スタッフ育成マスタリーモデル(M理論)
あとがき:M理論を書き終えて
今回は、我ながら自信作です。
ケンブランチャード氏のシチュエーショナル・リーダーシップモデルが主になっている理論となるため、森友が一から考えたものではないことは再度補足しておきます。
数あるリーダーシップ論、育成論からなぜ私がこの理論の発展させようと思ったかというと、一言で”手順がわかり易い”と思ったのと、実際に店長時代にこの方式を使ってきたからです。
私の店舗マネジメントのスタイルはまさにこのM1~M4のスタイルです。
最後は、委任して表面的な店舗業務(店長業務の一部)は部下の手にあります。
その為、私自身はM1~M3の育成や本部を巻き込んだ改善活動に充てることが出来ていました。
その為、エリアマネジャーに抜擢されるのも比較的早いタイミングであったように思います。
3日前まで、頭の中にあったこの理論からここまで体系立てて作れるとは正直思いませんでした。
店舗育成といえば、このマスタリーモデル(M理論)だと言われることを願って締めたいと思います。
長文に付き合ってくれたあなたが、更に幸せな店長生活になりますように。
2025年4月27日|森友ゆうき