こんにちは!森友ゆうきです。
「店長って、どこまでやればいいの?」
そう聞かれたとき、あなたはどう答えますか?
現場作業に入って売場を動かすのも、部下を育てるのも、数字を見るのも、クレームに対応するのも…。
店長の仕事は幅広く、どこまでが“自分の仕事”なのか分からなくなっている人も多いのではないでしょうか。
任せすぎて空回りする店長もいれば、抱え込みすぎて疲れている店長もいる。
その中で、「ちょうどいい線引き」を見つけることが、チームにも、自分にも、必要なのです。
この記事では、「どこまでやるべきか?」に悩む店長のために、
任せる技術とその後の動き方まで含めた“等身大のマネジメントの本質”をお伝えします。
【最新記事の目次】
第1章|「店長が全部やるべき」は古い
かつての店長像は、“現場の最前線で何でもこなす人”だったかもしれません。
発注もクレーム処理もスタッフ管理も…とにかく何でも一人で抱えてやる。
でも、現代の店舗運営はもっと複雑で、店舗人数は少なく、やるべきことは増えている。
その中で、「店長が全部やっていたら、誰も育たない」という事実に向き合うタイミングに来ています。
「やることを減らす」のではなく、「やることを選ぶ」。
そのために必要なのが、“線引きの感覚”です。
第2章|そもそも店長の仕事って何?
店長の役割を一言で言えば、「現場を正しく動かし、未来をつくる人」。
プレイヤーとしての力も大切ですが、マネジャーとして“仕組み”や“チーム”を整える視点が欠かせません。
ここで改めて、当ブログでおなじみの「6つの力」で整理してみましょう(順不同)
カテゴリ | 店長の役割 | 任せられること |
---|---|---|
育てる力 | 教育設計、OJT構築、人材採用 | 日常の声かけ、ティーチング・コーチング |
売場を整える力 | 売場方針、売場年間計画把握、在庫戦略 | 補充、陳列、売場変更、クリンリネス、売場標準化 |
心の力 | 信頼構築、面談、店内雰囲気づくり | サポート的声かけ、1on1、異常の発見・報告 |
知る力 | 売上分析、KPI管理、自社・他者動向の把握 | 上長報告、競合調査、小売業界の理解、 |
防ぐ力 | トラブル予防設計、勤怠管理、金銭管理、法令順守 | 店内巡回、事故報告本部連携、防災準備 |
導く力 | 店舗目標設定、動機づけ | 朝礼や日報の実行、リーダーシップ、部下の考課 |
店長の仕事は、「考え、設計し、任せる」ことに重心を移すべきなのです。
第3章|“やるべき”と“やらなくていい”の線引き
任せることに不安を感じる人は、「まだ任せられるレベルじゃない」と言います。
でも本当に任せる準備ができていないのは、自分の方かもしれません。
■ 線引きの基本3分類
- 自分がやるべきこと(店長にしかできない)
部下の評価、人間関係の設計、方向づけ、次期マネージャー教育、シフト作成(森友の拘り) - 一緒にやってから任せること
売場づくり、接客対応、朝礼、発注、品質管理、金銭管理、帳票管理、店長が出る前のトラブル対応など - 完全に任せていいこと
単純作業、ルーチン業務、定型報告業務、提出物管理
第4章|任せ方でチームの質が変わる|一緒にやる→任せる
任せるときは、ただ「お願い」するだけでは不十分です。
最初は必ず、「一緒にやる」フェーズをつくるのが鉄則。
■ 任せるステップと声かけ例
- 並走フェーズ
「最初は一緒にやろう。ゆくゆくは任せたいから」
→ 学ぶ姿勢を育て、安心感を与える - 任せフェーズ
「もう任せられると思ってる。信じてるからお願いするね」
→ 見てきた事実を伝える。期待+信頼のセットで - 支援フェーズ
「困ったらすぐ呼んで。いつでもサポートするから」
→ 放任ではない“任せてるけど気にかけてる”感
この“言葉の設計”があるだけで、任せたあとがうまくいくかどうかが変わります。
第5章|任せて終わりじゃない。空いた時間の“店長の動き方”
時間が空いたらどうするか?
それは店長としての“あり方”が問われる場面です。
たとえば——
- アルバイトに混じってレジに入り、笑顔で盛り上げる
- 忙しいスタッフのもとに「変わるね」「ありがとう」と言って入る
- 自分の手で売場を整え、変化のスピードを見せつける
報告物が多いからと店長室にとじこもる店長に誰も売場のことで指摘されたくはないでしょう。
1日1時間でもいいから、フルパワー行動した方が良いと思います。
■ この時の声かけが、さらに信頼をつくる
「任せたからってヒマになったわけじゃないよ。今はこっちで本気出す」
「さっき任せたけど、今はこのフォローが一番大事だから来た!」
「任せてるから、空いた時間をこうして使えるんだ。ありがとう」
チームは、「任されたこと」+「その後の店長の動き」の両方を見て、信頼を深めるのです。
第6章|森友の視点|やりすぎない店長が、強いチームをつくる
「何でもやる店長」ではなく、
「自分の役割を知ってる店長」がチームを育てます。
- やるべきことに集中し
- 任せて育て、出来たら感謝する(褒める)
- 自分の時間を未来に使う(育成投資)
そのサイクルを回せる店長こそ、幸せに働ける店長なのです。
「どこまでやるべき?」に迷ったときは、こう問いかけてみてください。
「それは“未来をよくする行動”になっているか?」
次の一歩|あなたは何を手放しますか?
明日から「やめてみる仕事」を1つ決めてみましょう。
そして、その時間で「任せた人の様子を見る」「未来の仕組みを考える」ことに使ってみてください。
店長の仕事は、“減らす”ことで、強くなる。
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