【最新記事の目次】
トレーダージョーズの商品開発とは?ヒットを生むPB戦略の裏側に迫る
こんにちは!森友ゆうきです。
アメリカのスーパーマーケットで異例の熱狂的ファンを持つ「Trader Joe’s(トレーダージョーズ)」。
なぜ広告もロイヤルティプログラムもないのに、これほどまでに愛されるのか?
その答えのひとつが、「ここにしかない商品」が毎回ワクワクを連れてくること。
そしてその“商品がどうやって作られているか”を知ると、トレジョの魅力はもっと深くなるんです。
数年に一度、私達社員はアメリカに小売業視察に行くのですが、その度にお土産で大量に買い込む”社員人気ナンバーワン小売業”がこのトレーダージョーズです。最後に紹介するエコバックを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
第1章|Trader Joe’sとは?“アメリカで一番楽しいスーパー”
@DIMEより画像引用
Trader Joe’sは1958年にカリフォルニアで創業。現在はドイツのALDI Nord傘下で、全米に約560店舗を展開しています。
- 商品点数は約4,000点(一般スーパーの1/5以下)
- 90%以上がオリジナルのプライベートブランド(PB)商品
- 広告なし・アプリなし・会員制度なし
それでも毎週通いたくなる。その理由は、「手に取ったら話したくなるような商品」ばかりだからです。
Trader Joe’s 親会社はヨーロッパ巨大チェーン12000店舗の「ALDI(アルディ)」
アルディvsウォルマート|真逆の小売戦略に学ぶ現場改善のヒント
第2章|商品開発のプロセスに“愛”と“厳しさ”を
1. “テイスティングパネル”という関門
新商品のアイデアはまず、社内の試食チーム(テイスティングパネル)で厳しく評価されます。
社員たちが実際に食べ、「味」「価格感」「トレジョらしさ」の3点を軸にフィードバック。
社内で「これはうちの商品じゃない」となれば、どんなに話題性があっても不採用です。
2. 開発から販売まで最短3ヶ月のスピード
トレジョは開発から店頭に並ぶまでのリードタイムがとにかく早い。
商品数を絞っているからこそ、社内決裁もスムーズで、調整コストがかかりません。
実際に「冷凍キンパ」や「スチーム餃子」などのヒット商品は、3〜4ヶ月で商品化された例もあるそうです。
3. “データではなく現場”からヒントを得る
トレジョでは、POS分析やAIによる商品開発は行いません。
代わりに重視しているのが、スタッフの目・耳・声。
- お客様の何気ない会話
- よく聞かれる質問
- すぐに売り切れる商品の傾向
こうした現場の“温度感”が、毎日の売場から商品開発チームに伝わり、改良や新企画につながっています。
第3章|「失敗を恐れず“変化”を楽しむ」文化
トレジョの特徴は、「一度出したら終わり」ではなく、商品がどんどん改良されること。
味の濃さ、パッケージの開けやすさ、ラベルデザインまで、
顧客の声を取り入れて1つの商品を育て続ける文化があります。
また、人気商品があえて「季節限定」で終了することも。
これは“飽き”を防ぎ、「次はどんな商品がくる?」という期待感を演出しているのです。
第4章|代表的なヒット商品はこうして生まれた
- チリ&ライムチップス: 味・食感・見た目すべてに“クセ”を持たせた設計。店員の声から商品化
- マンダリンオレンジチキン: 解凍→焼きの簡便調理。中華レストランの味を家庭に
- コーヒーパンナコッタ: スタッフから「こういうのがあったら嬉しい」の声で企画が始動
- PBスパイス類: 実店舗での調理イベントから派生した商品も多数
まとめ|PBだけど、“顔の見える商品”をつくる文化
トレジョの商品開発は、スピードとこだわりを両立した“温かいシステム”です。
たとえ大量生産でも、「誰が食べても同じ品質」ではなく、
「手に取る人が違えば感想も違う」──そんな“人間味”が、トレジョらしさなのかもしれません。
Amazonリンク【TRADER JOE’S】トレジョ キャンバス トートバック Tote Bag トレーダー ジョーズ