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ダブルバインドとは?心理誘導の仕組みと店舗販売教育での活用例
こんにちは!森友ゆうきです。
「どちらにしますか?」と言われて、なぜかその2択から選ばないといけない気分になったこと、ありませんか?
「やめます」と言うより、「Aにしようかな…いや、Bも…」と悩んだあげく、気づいたら選んでいた——
この現象を生み出すのが、“ダブルバインド”という心理的技術です。
第1章|ダブルバインドとは何か?
ダブルバインドとは、複数の選択肢を提示しているように見せながら、実質的にどちらを選んでも“望ましい行動”へと導く言語パターンです。
NLP(神経言語プログラミング)では、この技術を「選択の前提を植え付ける」と定義します。
第2章|なぜ人はダブルバインドに従ってしまうのか?
- 前提受容:選択肢を出されると「どちらか選ばなきゃ」と思ってしまう
- 回避疲労:断るほうがエネルギーを使うので、選ぶ方がラクに感じる
- 自由感:自分で決めたと思うことで、納得しやすくなる
- 認知バイアス:どちらも悪くないと思えるような提示の仕方をされると、拒絶しづらくなる
第3章|日常に潜むダブルバインドの例
例1:子どもに「先に宿題する?それともお風呂入ってから?」
例2:同僚に「昼ごはん、中華にする?和食にする?」
→ 洋食という選択肢もあるはずなのに、なぜか言いにくい。その理由は「選択のフレームを相手に握られている」から。
第4章|販売に使えるダブルバインド・トーク集(実践パターン拡張)
以下は、販売・接客で実際に使われているダブルバインドトークの応用例です。
- 「ご自宅用ですか?それとも贈り物ですか?」
- 「今週だと土曜日と日曜日で午前中の配送が可能です。どちらが宜しいですか?」
- 「今日お持ち帰りされますか?それともご自宅にお届けにしますか?」
- 「月々払いで始めますか?それとも一括の方がご都合いいですか?」
- 「まず小さいサイズから試されますか?それともフルサイズにされますか?」
- 「今すぐ使いたい方にはA、もう少しじっくり選びたい方にはB。どちらが良さそうですか?」
- 「そのまま今日決めてもいいですし、次回までに比較されるのもありです。どちらが宜しいですか?」
- 「お手頃なシリーズから入りますか?それともハイグレードラインから試してみますか?」
第5章|効きすぎ注意!ダブルバインドのリスクと使い方
- 信頼関係がない段階で使うと「押しつけ」に感じられる
- 相手の価値観を無視した選択肢提示は逆効果
- 選択肢に「断る」という選択が含まれていないと、不信感を生みやすい
第6章|“知っている”ことの防衛力
ダブルバインドを知っていれば、自分の意思を守ることができます。
たとえば同僚に「中華にする?和食にする?」と聞かれたとき——
洋食が良ければ、「他にも選択肢ある?」と返すことができます。
つまり、“気づける人”は、誘導から自由になれるのです。
まとめ|ダブルバインドは“使う”だけでなく“見抜く”ことで武器になる
ダブルバインドは、「NO」と言わせない設計です。だからこそ、販売や教育の場で有効です。
けれど同時に、知らなければ「本当は選びたくなかった選択」をしてしまうことも。
ダブルバインドは、“使う側”の技術であると同時に、“気づいて守る”知恵でもあります。
あなたは、どちらを選びますか?