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“型がなければ育たない”OJTとチェーンストア理論
教育の標準化が人を育てる
こんにちは!森友です。第5回目はチェーンストアの店内教育についてです。
チェーンストアの店内教育はベテランスタッフにお任せでは成り立たない理由を解説し、店長の関わり方を示します。
はじめに|「教えてるのに、なぜ育たない?」その悩みの根っこ
「時間をかけてOJTしてるのに、思うように育たない」
「隣で教えたはずなのに、現場では再現されていない」
そんな悩みを持つ店長は多いのではないでしょうか。
この第5弾では、チェーンストア理論の視点から、
「OJT=属人化しがちな育成」をどう標準化するかを考えていきます。
理論は仕組みだけじゃない。「育てる型」こそ最強の標準化
チェーンストア理論では、商品、価格、販促、人材…あらゆる分野を標準化し、
誰がやっても同じ成果が出る「再現性」を重視します。
それは「育成」でも同じ。
個人の経験や感覚に任せたOJTではなく、
“型”を使って誰でも教えられる状態が、店長の力になります。
「見て覚えろ」では育たない。“育成の型”がいる
- 教え方が人によってバラバラ
- タイミングも内容も、感覚に頼りがち
- 結果、「教えられた側が不安になる」
こうしたOJTの問題は、教育に“型”がないことから起きています。
標準化されたOJTフローやトーク例があることで、
店長の教え方も、受け手の理解度も格段に上がります。
本部マニュアルと現場OJTを“つなぐ”のが店長の役割
「本部が出したマニュアルが守られない」という悩みは、
教育の現場で“マニュアルとOJTが連動していない”から起きがちです。
チェーンストア理論的にいえば、
「仕組み(=マニュアル)」を「行動(=OJT)」に落とす媒介が店長です。
だからこそ、店長には“教える力”と“型の活用力”が求められます。
自由は、型を超えた先にある
育成の現場では「個性を伸ばす」「自由にやらせる」ことも大事ですが、
それは型を身につけた“その先”の話です。
まずは「この通りにやってみよう」という型があるからこそ、
現場の新人は安心して挑戦できるのです。
まとめ|育成を“仕組み”で考えることが、現場を変える
- 育成の悩みは属人化にある
- 型のあるOJTは、教える人・教わる人双方の安心になる
- チェーン理論の「標準化」は、教育にも活かせる
- 店長の“教える力”は、企業の未来をつくる力
シリーズ過去回もあわせてどうぞ
チェーンストア理論を歴史から読み解くシリーズ、これまでの記事はこちら:
- 【第1回】 「ダイエー・松下戦争」に学ぶ小売革命の始まり
- 【第2回】 アメリカのチェーンストアに学ぶ|ウォルマート・ターゲット・Kマートに見る小売の原点
- 【第3回】 ユニクロ・スシロー・セブンに見る“チェーンストア理論の現場力”
- 【第4回】 なぜ本部マニュアルは守られないのか?現場と仕組みの分断を超えるヒント
次回予告|「“現場主義”は強さか甘えか? 個店対応と全体最適のリアル」
第6弾では、よく聞く現場の言葉「うちはうちのやり方がある」にメスを入れます。
チェーンストア理論から見た「個店主義の限界」とは?
本部と現場がかみ合わない理由を解き明かします。お楽しみに!
最後に、チェーンストア理論をさらに深く学びたい方に、
桜井多恵子さんの著書『チェーンストアの教科書』は、
チェーンストアとは何か、なぜ標準化が必要なのか──
現場で働く人にも、組織をつくる人にも伝わる、
このブログで紹介した内容とあわせて読むと、チェーン運営の「