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【チェーンストア理論シリーズ④】なぜマニュアルは守られないのか?“伝わらないチェーン理論”の落とし穴

投稿日:2025年4月9日 更新日:

【チェーンストア理論シリーズ④】なぜマニュアルは守られないのか?“伝わらないチェーン理論”の落とし穴

はじめに|仕組みがあるのに、なぜ守られない?

こんにちは、森友です。

チェーンストアの運営には欠かせない「マニュアル」や「ルール」。

でも、実際の現場ではこうした声をよく聞きます。

  • 「マニュアルはあるけど誰も見てない」
  • 「昔はやってたけど今は形だけ」
  • 「結局、現場の店長のさじ加減でしょ」

これは、“怠けている”からではありません。

マニュアルが「伝わっていない」「実行に移せない」――その背景に、構造的な問題があります。

マニュアルが守られない現場には、理論と実践をつなぐ“橋”が欠けている。

第1章|“標準化”が機能しない3つのパターン

1. 目的が伝わっていない

ルールの「意味」が抜け落ちていると、行動につながりません。

  • 「なぜこのやり方なのか?」が説明されていない
  • 「本部が決めたから」では動機にならない

→ 理念(Why)が抜けた仕組みは、動機を生まない

2. 情報が多すぎて行動に落とせない

「理解できない」ことは、「実行できない」。

  • 難しい言葉のマニュアル
  • 指示が多すぎて優先順位がつけられない
  • 結局、現場で“自分のやり方”に戻る

3. 成果が見えず、やる意味が感じられない

  • 「ちゃんとやっても売上変わらない」
  • 「お客様に褒められるわけでもない」
  • 「逆に時間がかかってしんどいだけ」

→ “守る意味”がないと、続かない

第2章|チェーンストア理論の誤解と本質

マニュアル=縛り、というイメージを持っている人もいます。

でも、チェーンストア理論の本質はまったく逆です。

「誰でも同じ成果を出せる」ために、仕組みを整えるのが理論の目的。

  • 現場が考えなくていいように整備されている
  • 属人化を防ぐために標準化されている
  • “再現性”こそが、チェーンの強み

マニュアルは“手段”です。

大切なのは、その背景にある考え方を伝えることです。

第3章|なぜ伝わらないのか?“翻訳者”不在の現場

理論と現場の間にあるのは、言葉の壁です。

本部の意図が「現場語」に翻訳されていない。

  • スライド資料をそのまま現場に渡す
  • 店長が解釈せず、部下にそのまま流す
  • 「やっといて」で済ませてしまう

現場には“翻訳者”が必要です。
複雑な理論を、現場で使える言葉と行動に変える存在です。

第4章|講師として伝えたい、“守りたくなる”伝え方

私が研修講師として大事にしているのは、

「守らせる」ではなく、“守りたくなる状態”を作ることです。

  • ルールの背景(Why)を語る
  • 成功・失敗のエピソードを添える
  • 「やらないとこうなる」という具体例を見せる
  • 「完璧じゃなくていい。まず一歩」を伝える

人は、納得できたことしか続けません。
だからこそ、“伝え方”が大事なのです。

まとめ|理論を機能させるのは、仕組みより“伝え方”

マニュアルが守られないのは、現場の問題ではありません。

それは、“伝わっていない”ことが原因です。

チェーンストア理論は、正しい。

でも、それを活かすには、「翻訳」と「共感」の設計が必要です。

  • なぜそのルールがあるのか
  • 自分の仕事にどうつながるのか
  • 守ることでどんな成果があるのか

それを語れる人が、現場を変えていきます。

次回予告|“型がなければ育たない”OJTと理論の接点

次回は、“教育”に焦点を当てます。

テーマは――「OJTとチェーンストア理論」

理論は仕組みだけじゃない。
育てる型こそ、最強の標準化。

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