こんにちは!森友です。
この記事は「新入社員研修 講師スキル向上シリーズ」上級編にあたる内容です。
これまでの記事はこちら:
【最新記事の目次】
上級講師の極意。受講者の未来を引き出す3つの技術
新入社員研修で講師を務める皆さん、こんなことを感じたことはありませんか?
「スライド通りに伝えているのに、なぜか響いていない気がする」
「受講者が“やらされ感”でワークしているように見える」
それ、もしかしたら講師として一歩ステージアップするタイミングかもしれません。
今回は、上級講師に求められる「3つの視点」をご紹介します。
ポイントは、「伝える」から「引き出す」へのシフトです。
1. アウトカムではなく、“メタアウトカム”を描く
「この研修で身につけてほしいこと(アウトカム)」を明確にするのは大切です。
でも、上級講師はさらに一歩踏み込みます。
それは、「その力がついたことで、どんな未来が待っているのか?」まで描かせること。
これが「メタアウトカム」です。
たとえば:
- アウトカム:ゴールのこと 【例:将来、本部に行き「業務システム改革責任者になりたい】
- メタアウトカム:ゴールを達成したあなたが得たい本当のもの【例:現状のアナログで非効率な会社の仕組みを根本から変え、店長みんなが楽しく働ける環境を作りたい、そして働く仲間を幸せにしたい】
研修の冒頭で、こう問いかけてみてください。
「今日の学びが身についたら、どんな自分になれそうですか?」
「それができたあなたは、周りからどう見られていそうですか?」
受講者の“未来へのスイッチ”が入る瞬間です。
2. 講師の“ステート”が場の空気をつくる
研修がうまくいくかどうかは、スライドの内容よりも、講師の在り方(ステート)に左右されることがあります。
ステートとは?
NLPでいうところの「心と身体の状態」。
講師が焦っていたり、自信がなかったりすると、その空気は一瞬で伝わります。
逆に…
- 落ち着き
- 安心感
- 情熱
こうしたステートに講師自身が入っていれば、自然と場に広がります。
ステートを整えるコツ
- 深呼吸して、「自分は信頼されている存在だ」と言葉に出す
- 自分にとっての講師としての“原点”を思い出す
- 背筋を伸ばして立つ、声を少し大きめに出す
これだけで、場のエネルギーは変わります。
3. コーチングの技術で、気づきを“引き出す”
上級講師は「教える」だけではなく、「引き出す」ことに力を注ぎます。
ここで活用したいのが、コーチングのスキルです。
ワーク後に使える問いかけ例
シーン | 質問例 |
---|---|
ワーク前 | 今日の研修で、どんな力を伸ばしたいですか? |
ワーク後 | 今の体験から、どんな気づきがありましたか? |
振り返り | これを明日からどう実践できそうですか? |
これらの問いは、受講者の内省を促し、行動変容のきっかけになります。
また、「答えはその人の中にある」という姿勢を持つことで、受講者との信頼関係も深まります。
おわりに
「伝え方の工夫」も大切ですが、講師としてもう一段階上を目指すなら…
- メタアウトカム(未来像)を見せる
- 自分のステートを整える
- コーチングで受講者の気づきを引き出す
この3つの視点を、ぜひ取り入れてみてください。
上級講師は、受講者の感情を動かし、終わったあとの行動や生き方までを変える存在です。
受講者の表情が変わり、
「この講師の研修で、自分は成長できた」と思ってもらえるはずです。
新入社員研修講師でここまで専門的な人は社内に居ないかも知れませんが、この3つをマスターすることが出来たら、あなたにどんな未来が見えそうでしょうか?