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作業標準化とは?店舗運営で“ズレ”を防ぐための考え方とMSOS導入法

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作業標準化とは?店舗運営で“ズレ”を防ぐための考え方とMSOS導入法

こんにちは!森友です。

「作業標準化って大事って聞くけど、具体的にどうすればいいの?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?

実は、店舗運営において“作業のズレ”は、店が増えるごとに指数関数的に膨れ上がるという特性があります。
完成度が9割でも安心できない。その理由と対策を、この記事でわかりやすく解説します。

本記事では、

  • 作業標準化が必要な理由
  • 店舗数が増えるとズレが急増する構造
  • 不完全作業の「マス化」というリスク
  • チェーン経営を支える「マスストアーズ・オペレーション・システム(MSOS)」とは

この観点から、店舗を守るための“仕組み”づくりについてご紹介します。


90%完成とは「10%のズレ」があるということ

仮に、作業項目が100あるとします。
そのうち90ができていれば、確かに見た目は合格点かもしれません。

ですが残りの10項目、つまり「10%のズレ」は、店が1つなら修正も可能です。
ところが、これが10店舗、20店舗と増えていくと——

  • 店ごとにズレの内容が違う
  • 独自のやり方が生まれてしまう
  • 正しい基準が曖昧になっていく

つまり、同じ“90%完成”でも、ズレのパターンが倍々で複雑化するのです。

10店舗の90%完成は、100通りのズレ

店舗数が10店になると、それぞれに10項目のズレがあるとして、合計で100項目。
しかも、そのズレが同じとは限りません。

たとえば:

  • 店A:納品処理が抜ける
  • 店B:POP貼りミス
  • 店C:レジ〆時間のズレ

このように、店舗が増えるほど“何が正しいか”がわからなくなる現象が起きます。

そして、ここで起こるのが「不完全作業のマス化」という現象です。

◆ 不完全作業が“マス化”されるとは?

「マス化」とは、ある問題が個別ではなく、大量・広範囲に再現されることを意味します。

たとえば1つの店舗で行われた誤った作業が、
マニュアルや口伝えで他の店舗にも伝播し、

「気づいたときには、50店舗すべてで同じミスが起きていた」という状態になります。

つまり、「一過性のミス」だったはずの行動が、
チェーン全体で“当たり前”として定着してしまうのです。

この状態になると、もはや修正は容易ではありません。
どこから直すべきか、何が正しいか、誰も判断できない状態に陥ります。

だからこそ、不完全作業は“マス化”する前に食い止める必要があるのです。

指数関数的にズレは増える

この“ズレ”は、単に足し算で増えるわけではありません。
指数関数的に(=倍々に)増えるのです。

なぜなら、ズレの種類が増えると、

  • 現場が混乱する
  • 本部はミスを分析できない
  • 是正指示が遅れ、別の問題を誘発する

たとえば、50店舗あれば、理論上 2の50乗通り(≒1,125兆)の組み合わせが生まれます。
もちろん現実にはすべて起きるわけではありませんが、
“たかが10%の不完全さ”が、対応不能レベルの混乱になることは十分あり得ます。

作業標準化とは「ズレをゼロに近づける仕組み」

だからこそ、チェーン経営では「標準化」が必要なのです。
標準化とは、「誰がやっても、どの店舗でも、同じやり方で同じ成果が出る仕組み」。

作業マニュアル、チェックリスト、動画、ツール——
これらはすべて、ズレを限りなくゼロにするための仕掛けです。

たとえ1%のズレでも、100店舗あれば100通りのミスが起こる。
だからこそ、“100%完成を全店で実現する”ための標準化が求められます。

その“ズレ”をどう防ぐか?──MSOSで解決する

では、店舗のズレやミスを防ぐために、実際には何を整えればよいのでしょうか?
答えは、「マスストアーズ・オペレーション・システム(MSOS)」にあります。

◆ MSOSとは?

マスストアーズ・オペレーション・システム(Mass Stores Operation System)とは、
チェーンストア理論の中核をなす「店舗運営の標準化システム」のことです。

「どの店舗でも同じ商品が、同じ売場で、同じサービスと品質で提供される」
この“再現性・安定性・効率性”を支えるのが、MSOSです。

◆ MSOSの4本柱(例)

  1. マニュアル化(操作標準書):誰がやっても同じ結果が出る手順を言語化
  2. 教育制度(習熟度の可視化):属人性に頼らず誰でも育てられる仕組み
  3. 検査制度(チェックリストと点検):ズレを早期に発見・修正する体制
  4. 改善の仕組み(PDCAの定着):ミスや課題を翌月には解消するリズム

◆ 店舗数が増えるほど「システム」が必要になる

小規模のうちは「人の目」や「空気感」で何とかなっていた運営も、
10店・50店と拡大する中で、“現場力”だけでは限界が来ます

だからこそ、仕組み=MSOSを整える視点が欠かせません。

まとめ|作業標準化とは「人を守る仕組み」をつくること

「うちの店は9割できているから大丈夫」——その油断こそが、拡大時のリスクを招きます。

チェーンストア理論の本質は、「個の力ではなく、仕組みで動かすこと」。

たった10%の不完全さでも、
店舗数が増えれば 指数関数的に“違い”が広がり
やがて現場は、誰も正解がわからない世界に突入します。

不完全作業がマス化すれば、それはもはや現場の問題ではなく、
チェーン全体の構造的課題に変わってしまいます。

その連鎖を断ち切るのが、マスストアーズ・オペレーション・システム(MSOS)です。

「標準化」は、ただのチェックリスト作成ではありません。
それは、どんな現場でも人が安心して働ける土台をつくることです。

今一度、あなたの店舗でも「作業のズレはどこにあるか?」を見直してみませんか?
その気づきが、未来のミスを未然に防ぐ第一歩になります。

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