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自己顕示欲と承認欲求の違い|“見てほしい”を原動力に変える店長の心得

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自己顕示欲と承認欲求の違い|“見てほしい”を原動力に変える店長の心得

「目立ちたい」「認められたい」──その気持ちは、誰にでもある。

こんにちは!森友ゆうきです。

今回は、「自己顕示欲と承認欲求の違い」について深掘りしながら、
それがどうすれば“現場での原動力”になるのかを解説します。

自己顕示欲という言葉には、どこかネガティブなイメージがつきまといます。
でも、見方を変えればそれは「伝えたい」「見てほしい」という自然な感情。

特に、店長という立場にいる私たちにとって、
部下の“見てほしい”を引き出すことは、育成やチーム活性の起点になります。

この記事では、心理的な違いを整理しながら、
店長自身の発信力、そして部下との関わり方にどう活かすかまでを考えていきます。


第1章|「自己顕示欲」と「承認欲求」の違い

まずは、2つの言葉の違いを整理しておきましょう。

自己顕示欲とは、「自分の存在や考え、成果を他者に示したい」という内的な欲求。
一方の承認欲求は、「他人から認められたい」「評価されたい」という外発的な欲求です。

分類起点動機求めるもの
自己顕示欲自分伝えたい・示したい注目・表現
承認欲求他人認められたい評価・共感

たとえば、店長がこんな気持ちを持ったとします:

  • 「このレイアウト、自分が考えたって知ってほしい」 → 自己顕示欲
  • 「上司に気づいてもらえてるかな…」 → 承認欲求

どちらも人間らしい感情であり、善悪ではなく、向き合い方が大切です。

そしてこの2つの欲求は連動していることも多く、
「まず見せたい」→「そして認められたい」という流れになることも少なくありません。

この章でお伝えしたいのは、どちらの欲求も成長のきっかけになるということです。
次章では、なぜ自己顕示欲が“悪いもの”として見られがちなのか──その背景を探っていきます。


第2章|なぜ自己顕示欲は悪く見られるのか?

「あの人、自己顕示欲が強いよね」

そんな言葉に、ネガティブな意味を感じる人は多いでしょう。
でも、それは本当に“悪いこと”なのでしょうか?

この章では、自己顕示欲が否定的に見られてしまう理由を、3つの視点から掘り下げます。


1. 「謙遜=美徳」という日本文化

日本では昔から、「出る杭は打たれる」ということわざに象徴されるように、
目立つことや自己主張を控えるのが美徳とされてきました。

成果を出しても「いえいえ、周りのおかげです」と引く姿勢が評価されやすく、
堂々と自分の意見や成果を発信する人は、「でしゃばり」と見られがちです。

こうした空気が、自己顕示欲を「恥ずかしい」「抑えるべきもの」にしているのです。


2. SNS時代の“自慢疲れ”と警戒感

現代は、誰もが自由に自己表現できるSNS時代。
しかしその反面、「また自慢?」「必死すぎる」といった視線も生まれやすくなっています。

目立ちすぎる発信、過剰な自己アピールに対する拒否反応が強くなり、
自己顕示=うざい、承認欲求=痛い、というステレオタイプが生まれているのです。

その結果、「伝えたいけど黙っておこう」と、自分の声を抑える人が増えてしまっています。


3. 職場に根付く“同調圧力”

日本の職場では、「足並みを揃える」「目立たない」ことが暗黙のルールになりがちです。

そんな中で、積極的に発信したり、成果をアピールしたりする人が現れると、
「またあの人か…」「いい顔してるな」といった“裏の評価”がついて回ることも。

つまり、自己顕示そのものが問題なのではなく、それを受け取る側の空気が問題なのです。


違いを知れば、扱い方が変わる

繰り返しますが、自己顕示欲も承認欲求も自然な感情です。

重要なのは、それをどう扱うか、どう活かすか

次章では、自己顕示欲が“仕事の推進力”になるケース、
そして店長として部下の内なる欲求にどう火をつけるかを掘り下げていきます。

第3章|自己顕示欲と承認欲求の違い──部下を動かす“見てほしい”の力

「見てほしい」「伝えたい」「気づいてもらいたい」

これらの感情は、自己顕示欲や承認欲求の表れですが、
正しく扱えば仕事の質を高める“原動力”になります。

特に店長という立場では、自分のためだけでなく、
部下が「見てほしい」と思えるような環境をつくることも重要です。


「見てほしい」は、努力の起点になる

たとえばPOPづくりや売場の改善に力を入れたとき、

  • お客様が足を止めてくれた
  • 上司や同僚が「いいね」と言ってくれた

──その瞬間に、やる気が何倍にもふくらんだ経験、ありませんか?

これは、「伝えたい」「見てほしい」という欲求が満たされたからこそ生まれる
内的な報酬です。

誰かに伝えたい、気づいてもらいたいと思う気持ちは、
目標設定や行動の質を高める大きなエネルギーになります。


部下に“見てほしい”と思わせられる店長は強い

ここで大切なのが、「部下が自己顕示欲を健全に出せる場をつくれているか」です。

たとえばあるスタッフが、朝の品出しを少しだけ工夫したとき──

  • 「どうせ誰も気づかないし…」と思えば、やる気は続きません。
  • 「店長が見てくれるかも」と思えれば、次も頑張りたくなります。

つまり、“見られることが力になる”環境を店長がどう設計できるかが、
部下の成長スピードを大きく左右します。


伝えたいと思うから、工夫が生まれる

「これを誰かに伝えたい」
この気持ちがあると、人は自分の考えを深め、表現を工夫しようとします。

その結果、

  • 言語化力が高まる
  • 伝え方を磨くようになる
  • 人前に立つ機会が増える

──まさにリーダーとしての基礎体力です。

だからこそ、店長自身も堂々と発信しながら、
部下にも「出していいんだよ」という空気を示すことが重要なのです。


「自己顕示=貢献」へ昇華できるチームへ

自己顕示欲や承認欲求は、方向を誤れば空回りにもなります。
しかし、「貢献」と結びつけることができれば、大きな推進力になります。

「自分がやった」と言える人が増えるチームは、
自然と責任感も強くなり、改善提案も活発になります。

次章では、この自己顕示欲を暴走させないための
“2つの視点”について掘り下げていきましょう。


第4章|自己顕示欲の“暴走”を防ぐ2つの視点

どんなにエネルギーがあるものでも、方向を誤れば“空回り”や“孤立”につながります。

自己顕示欲も例外ではありません。
だからこそ、暴走を防ぐ視点が必要です。

ここでは、現場リーダーが持つべき2つの視点をご紹介します。


視点①|「自己効力感」を育てる

自己顕示欲が過剰になる背景には、「自信のなさ」があります。

本当に自信がある人は、過剰に主張しなくても、
自然に存在感を示せます。

逆に、「認めてもらえないと、自分の価値を感じられない」という状態になると、
承認を求める行動が暴走しがちです。

そのためには、部下自身が「やればできる」という小さな成功体験を積み、
自己効力感(=自分はできるという感覚)を育てることが重要です。


視点②|「他者貢献」と結びつける

自己顕示欲を“成長の燃料”にするには、「誰かのため」という目的とつなげるのが効果的です。

たとえば──

  • 「自分が発信することで、チームの士気が上がる」
  • 「この改善提案で、他の人の負担が減る」

こうした視点を持つことで、自己顕示欲は「貢献の意思」に変わっていきます。

この切り替えができるかどうかが、
リーダーとしての成熟度を大きく分けるポイントです。


“見てほしい”は、人を育てる力になる

見てほしい、認められたい。
その気持ちを、抑えるのではなく活かす。

自己顕示欲と承認欲求を正しく理解し、
店長として自分も、そして部下も前向きに活かしていく──

それができる現場こそ、人が育ち、チームが伸びる土台になります。

次章では、実際にこの欲求を昇華させて活かしている現場事例を紹介していきます。


結び|“見てほしい”は、誰にでもある

人は誰しも、「見てほしい」「認められたい」という気持ちを持っています。

それを否定したり、恥ずかしいと思う必要はありません。

自己顕示欲は、使い方しだいで力になる。
承認欲求は、関係性しだいで支えになる。

大切なのは、その感情に振り回されるのではなく、
自分やチームの成長につながる方向へ、意識的に使うこと。

店長という立場は、部下にとって「見てほしい」と思わせる存在であり、
その視線が、人を動かすエネルギーになることも少なくありません。

ぜひ、あなた自身の中にある「伝えたい気持ち」にも目を向けながら、
チームの中にある“見てほしい”という声にも、静かに耳を傾けてみてください。

それはきっと、リーダーとしてのあなたの力を、さらに大きくしてくれるはずです。

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