できる店長は問題発見力と問題解決力が高い件
問題解決って、基本の型があるの?
この問いにお答えします。
店長は毎日、様々な問題に出会うことでしょう。
大半が小さな問題ですが、たまに来る大きな問題に頭を悩ませ、それが解決した際には「ほっ」とする。
そんな毎日なのではないでしょうか?
私は一部上場企業の小売業に勤めており、新任店長からベテラン店長まで様々な店長や管理職の方々へ店舗運営部業務について教えています。
研修は毎回、少数で8名前後に対し2日間行うのですが、プログラムの1つの「問題発見・問題解決」は内容だけ見ると基礎的です。
ですが、現場での事例を交える事で店舗に戻ってからの問題解決行動に大きく影響を与えています。
問題解決の第一歩は、「何が問題なのか?」を明確にすること
その為には、「あるべき姿」と「現状」を明確に捉える必要があります。
ただし、同じ「あるべき姿」でも、「現状」をどう判断するかによって捉える問題が違ってきますし、逆に同じ「現状」でも「あるべき姿」をどこに置くかによって捉える問題は変わるのです。
今回は、問題発見・問題解決をする上で知っておきたい基本形・手順について書きます。
問題とは「あるべき姿」と「現状」のギャップのこと
「あるべき姿」とは、「理想の状態」とも言い換えられます。
「理想の状態」なくして、そもそも「問題」になるのでしょうか?
私たちは無意識のうちに「問題だ」とかいいますが、それは「あるべき姿」・「理想」があるからです。
では、「理想」がない人たちはどうなのでしょうか?
理想の状態がわからない人は、
問題だと思う数が圧倒的に少ないために、解決する数やお店を前進させる数も少ないのです。
ここに気付けると、会社のマニュアルやお店の「あるべき姿」に対しての把握したいモチベーションは向上します。
一番わかりやすいのは売上や利益など数字化されているものでしょう。
「あるべき姿」は予算比が100%を超えているかで「問題」有り無しを判断するのが最も簡単ですよね。
「現状」として、予算比95%であれば▲5%が問題です
その他に、このようなものがあります。
- 残業
- 事故
- パート社員の離職率
- 売場状態レベル
- 接客レベル
上記のように確実に「あるべき姿」がわかるものであれば、対策も打ちやすくなります。
残業も事故も離職率も0であるに越したことはありません。
ここに前年比などの基準を入れれば、「あるべき姿」となります。
逆に難しいと感じるのは、売場状態レベル、接客レベルなどの数字の入らない課題でしょうか?
数字の出ない問題の発見方法
売場状態、接客など数字の出ない問題発見方法は2つあります。
- マニュアルや基準を把握する方法
- コーチングで数字化する方法
マニュアルや基準を把握する方法
マニュアルや基準書は「あるべき姿」と「現状」のギャップを知るには欠かせないツールです。
マニュアル人間と揶揄する人は、マネジメントの本質を理解してない典型です。
会社として「これが基準だ!」ということですから、マニュアルを完全に把握しそれ通りに業務が行えたか?を把握することが最もシンプルです。
注意点として、マニュアルは日々の更新が必要です。売場もお店も会社も毎日のように変化していますから。
スタッフに「マニュアルが最新じゃない」このレッテルがはられれば、いづれ誰も見なくなりますので、本部はマニュアル更新担当に随時作業させる必要があります。
コーチングで数字化する方法
「接客」の「あるべき姿」とは何でしょうか?
動画や接客トレーナーが見本を見せるのも1つの方法です。
ですが、「これが接客の見本ですよ!」と言われて参考にはなるでしょうが、「よしやるぞ!」とはなりにくいものです。
私はこの場合は、
「今まで生きてきた中で、最高の接客を受けた時はどこの、どんな人ですか?」と聞きます。
接客業に携わった仕事ですと「理想の接客受けたこと」を1つは直ぐに思い出してほしいですが、なかなか出ないものです。
1~2分考えさせてやっと出てきます。
この理想の接客をする人を10点満点と仮定し、自分は何点か?を聞きます。
7点と仮に答えれば、残りの3点は「問題=ギャップ」のことですから、具体的に何かを思い出してもらうのです。
笑顔や愛想、動作スピードや気の利いた言葉、アフターケアの話などそれぞれの「理想」から「現状」のギャップを導いていきます。
数字化されてないものでも発見可能なうえに、モチベーションも向上させます。
関連記事⇒ベテランスタッフの接客レベルを向上させる3つの方法
何が「問題」なのかを発見すれば8割は解決したも同然!
問題の本質に気付く訓練は、日々行います。
目先に見えている問題を解決させることに集中しているとHOW思考に陥ります。
問題発見のプロセスはHOW思考ではなく、WHERE思考で考えると良いでしょう。
HOW思考=どうやって解決させるか?を考える思考
WHERE思考=どこに問題があるかを考える思考
どこに問題があるか・・と考えることは簡単なことではありません。
私も問題の本質に辿り着けないことは多々あります。得てしてその場合は、同じ問題を別な場所で繰り返します。正しく問題発見・問題解決見つける公式は以下です。
WHERE(観察)⇒WHY(分析)⇒HOW(判断)⇒DO(実施)これを繰り返します。
そして、WHEREとWHYの間を行き来し、本当の問題に辿り着くまでPDCAを回すのです。
まとめ
問題=「あるべき姿」ー「現状」
この言葉の本質を知らない店長は多く居ます。
できる店長は問題発見力と問題解決力が高いのは間違いありません。
そして、「あるべき姿」と「現状」を把握するために正しいルールの把握で基準を明確にし、コーチングやWHERE思考で現状や問題(ギャップ)を断定していきます。
これまで問題発見・問題解決の型が不明だった場合は、参考になれば幸いです。
今日も最後まで見て頂きありがとうございます(^o^)丿